韓国、南北首脳会談にサムスントップなど財閥トップが同行 訪朝団は200人規模

 
南北首脳会談のため、平壌の高麗ホテル前に停車する韓国放送公社などの車両=16日(共同)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国大統領府は16日、北朝鮮・平壌で18~20日に開かれる文在寅(むん・じぇいん)大統領と金正恩(きむ・じょんうん)朝鮮労働党委員長の3回目の首脳会談に、サムスングループ経営トップの李在鎔(い・じぇよん)サムスン電子副会長ら韓国の財閥企業トップらが特別随行員として同行すると発表した。訪朝団は200人を超える規模になる見通し。

 文政権は、韓国を代表する企業トップらを訪朝団に加えることで、北朝鮮が求める経済協力に向けて前向きな姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

 政府高官からなる公式随行員は14人で、特使として金正恩氏とも会談した大統領府の鄭義溶(ちょん・うぃよん)国家安保室長や徐薫(そ・ふん)国家情報院長らに加え、北朝鮮との軍事的緊張緩和措置が首脳会談の主要議題の一つとなる中、既に退任が決まっている宋永武(そん・よんむ)国防相も参加する。康京和(かん・ぎょんふぁ)外相も韓国外相として初めて平壌を公式訪問する。

 南北が推進で合意した鉄道連結や北朝鮮の山林育成事業を所管する国土交通相や山林庁長官も選ばれた。大統領府からは経済補佐官も随行する予定だ。

 各分野の代表からなる特別随行員は52人で、財界からはサムスン電子の李副会長のほか、SKグループ、LGグループのトップと現代自動車ナンバー2といった韓国4大企業グループの面々が名を連ねた。政界からは与党「共に民主党」の李海●(=王へんに賛の夫がそれぞれ先)(り・へちゃん)代表のほか、親北系野党2党の代表も随行する。南北でスポーツや文化交流を進めてきたこともあり、2月の平昌五輪のアイスホッケー女子の南北合同チームで主将を務めた選手や歌手も加わる。

 一方、首脳会談を準備するための先発隊約90人が16日、韓国から陸路で北朝鮮入りした。警護や報道対応の担当者らで構成され、現地の点検や北朝鮮側との最終調整を行う。