「一帯一路」5年 中国、膨張続く経済圏構想 債務のわなに反発も

 
「一帯一路」をテーマに北京で開かれた国際会議の記念撮影で手を振る各国首脳。前列中央右は中国の習近平国家主席、同左はロシアのプーチン大統領=2017年5月(共同)

 中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を提唱してから今秋で丸5年を迎えた。構想は当初、経済関係強化のため中央アジアや欧州などを陸と海の2つのルートで結ぶ計画だったのが、際限なく世界各地に膨張。一方で中国から巨額投資を受け入れた一部の国は、財政状況が悪化する「債務のわな」に陥り、反発も強まっている。

 習近平国家主席は2013年9月、カザフスタンで「ともにシルクロード経済ベルトを建設しよう」と宣言。翌10月にインドネシアで海上ルートの構想を披露、後に合わせて一帯一路と命名した。

 構想を外交の柱に据えた中国は関係国で港湾や高速鉄道などのインフラ投資に着手し、17年までに累計800億ドル(約9兆円)超を投資した。

 強大な経済力になびく国も相次ぐ。協力協定を結んだ国や国際機関は8月下旬時点で103に達し、地域は南米や北極に及ぶ。資金面で構想を支えるためアジアインフラ投資銀行(AIIB)などを設立、中国企業の海外進出も側面支援する。

 一方でほころびも目立ち始めた。パキスタンやラオスは中国からの融資で対外債務が膨張。潤うのは事業を担う中国企業で地元に利益をもたらさないとの不満も高まる。

 マレーシアは政権交代後の8月、マハティール首相が財政悪化懸念を理由に、中国との鉄道建設計画を中止すると発表。モルディブでも9月、中国依存の脱却を訴える野党候補が大統領選で勝利した。各国では一帯一路にどう関わるかが政治の対立軸になりつつある。

 中国が援助攻勢をかけるアフリカ東部の小国ジブチでは、中国軍が昨年8月に初の海外基地を設けた。構想は海外での軍事拠点づくりを後押しする手段としても機能し始めている。

 米国のペンス副大統領は今月4日、中国が「“債務外交”によって影響力を拡大している」と批判。構想は中国の台頭阻止に動く米国との間で、貿易摩擦とともに火種の一つとなっている。(北京 共同)