自民税調、最大の焦点は自動車 総会開き本格始動、税制大綱決定に向け難しいかじ取り
自民党税制調査会は21日、総会を開き、2018年度税制改正に向けた議論を本格化させた。来年10月の消費税率10%への引き上げに伴う景気対策が主要議題で、中でも自動車関連税制の見直しが最大の焦点だ。ただ、自動車税の恒久的な減税を求める経済産業省と、地方財源を確保したい総務省との対立の溝は深い。来月12日の税制改正大綱決定に向け調整は難航しそうだ。
「今年は議論が長引くかもしれないが、自動車関係諸税の議論をしっかりやって頂き、結論を出したい」。自民党税調の宮沢洋一会長は総会の冒頭でこう述べた。
安倍晋三首相が消費税増税後の景気対策に万全を期す方針を示したことを受け、税調では増税負担が重い自動車や住宅の購入、保有に関わる税制の軽減措置が議論の重要テーマとなる。
自動車については、14年に消費税率が8%へ上がった後、国内販売が大きく落ち込んだことを理由に、日本自動車工業会(自工会)などの業界団体や経産省は関連の税負担を大幅に引き下げるよう要求している。
自工会は消費税率を10%へ引き上げた場合、年間販売台数が約30万台減少すると試算。自動車税を軽自動車税(年1万800円)に近い水準に下げるよう求めており、経産省は排気量1000cc以下を1万6000円(現行2万9500円)へ引き下げる案を検討。さらに、増税時に導入される、燃費に応じて購入額の0~3%課す新税「環境性能割」の1年半の導入延期なども求めている。
これに対し、地方自治体の財政を所管する総務省の反発は強い。自動車税の年間の税収約2.6兆円のうち、約2.2兆円が地方への配分だが、恒久減税を実施すれば将来的に3500億~4000億円規模の減収になる可能性があるからだ。
そのため、自民党税調内には「代替財源がなければ恒久減税は不可能」(幹部)との意見も多い。総務省は恒久減税の見直しは軽度に済ませ、自動車取得時にかかる税を最大2%減税し、燃費性能の高い車の購入には補助金を支給する案を打ち出すつもりだ。
だが、「自動車市場が衰退すれば地方税収も減る。恒久減税で業界を支援することを優先すべきだ」(自民党議員)との訴えもあり、「自動車税の議論は最後までもめる」(財務省幹部)ことになりそうだ。
このほか、住宅購入の支援策として、住宅ローン減税が受けられる期間の延長や、増税時に導入される軽減税率による1兆円の減収分のうち、穴埋めのめどがついていない約3000億円の捻出についても議論。東京など大都市に集中している地方法人税の財源の偏在是正も主要なテーマとなる。
公明党が求めている未婚の一人親世帯の所得税などを軽減する新たな措置の創設についても検討する。ただ、自民党の保守系議員からは「未婚の出産の奨励につながりかねない」との反対もあり、結論を先送りする可能性もある。
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■2019年度税制改正の主な検討項目
≪自動車≫
・購入時の税負担の軽減、重量税のエコカー減税の延長
・保有者が毎年支払う自動車税の見直し
≪住宅≫
・住宅ローン減税の期間を現在の10年から数年延長
≪軽減税率の財源≫
・1兆円の財源のうち、穴埋めのめどがついていない約3000億円の捻出
≪中小企業支援≫
・事業承継税制や研究開発税制の優遇対象の拡充
≪地方関連≫
・大都市に集中する地方法人税収の偏在を是正し、地方に手厚く再配分
・ふるさと納税の見直し
≪子育て支援≫
・未婚の一人親の税負担を軽減する措置の創設
・子や孫に教育資金を援助する際にかかる贈与税の非課税措置の延長
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