官民で“要衝”ミャンマー支援 国際協力銀など3行、複合不動産開発で160億円融資

 
国際協力銀行、三井住友銀行、みずほ銀行が協調融資するミャンマーの複合施設の完成予想図

 国際協力銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3行が、ミャンマーで日本企業が手掛ける複合不動産開発に計1億4400万ドル(約160億円)を協調融資することが17日、分かった。18日調印する。日・ミャンマー両政府が後押しする大型事業を資金面で支援して日本企業の進出に寄与するほか、最新鋭のエネルギー管理システムを導入し地球温暖化対策にも貢献する。

 ミャンマー最大の都市ヤンゴン中心部でホテルやオフィス、商業施設などの複合施設を開発する計画で、工事は大和ハウス工業グループのフジタが請け負う。運営管理はオフィスと商業施設を東京建物、ホテルや長期滞在者用のサービスアパートメントをホテルオークラが担当する。2021年4月の開業を目指す。

 ヤンゴン中心部の有名仏教施設シュエダゴンパゴダに近く、通常は大規模開発用地の確保が困難な場所だが、ミャンマー政府の協力で博物館跡地を確保した。

 長年の鎖国状態が解かれたミャンマーは5000万人超の人口と6%以上の成長力で「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ、海外資本の流入が続く。国際協力銀の有望な事業展開先アンケートでも9位に入り、日本企業の進出意欲は高い。外資系企業が増えるなかで良好な住環境を求める声が強く、開発につながった。

 一方、国際協力銀の融資は政府が5月に発表した地球環境保全に役立つインフラ整備を支援する制度「質高インフラ環境成長ファシリティ」の一環だ。協調融資のうち約3分の1相当の4700万ドルを受け持つ。

 ミャンマーは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」にとって内陸の雲南省とインド洋を結ぶ要衝。官民を挙げて日本とミャンマーとの経済関係を深化させることで、中国の進出に歯止めをかける効果も期待される。