【専欄】中国にとっての2018年とは、どの様な1年になったのか

 
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 今年も残り2週間となった。中国にとって今年最大の出来事は、米国との関係が非常に厳しいものになったことだろう。現在の米中関係を見る上で見逃すことができないのは、2017年12月に発表された米国の「国家安全保障戦略」(NSS)と今年1月に発表された米国の「国家防衛戦略」(NDS)と10月の米副大統領、ペンスの中国政策に関する演説である。(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

 NSSは、中国およびロシアについて、「米国のパワー、影響力、利益に挑戦し、その安全と繁栄を侵食しようとしている」と指摘し、「関与や国際機関への取り込みがライバル国を善意のアクターや信頼できるパートナーに変えるという仮定に基づく過去20年間の米国の政策は再考を迫られている」と述べている。つまり、クリントン政権以降の対中政策を否定し、新たな対中政策の必要性を強調しているのである。

 米国は01年の9.11事件以降、テロリズムとの戦いを安全保障上の最優先課題としてきたが、NDSは、「現在、米国の国家安全保障における主要な懸念は、テロリズムではなく、国家間の戦略的競争である」と述べている。今や、「中国、ロシアとの長期的な戦略的競争が、国防総省にとっての主要な優先課題」になったというのである。

 NDSは、「戦略的競争者」である中国は、「近い将来におけるインド太平洋地域での覇権を目指し、さらには将来、米国に取って代わり、地球規模で優位に立つことを目指して、軍の近代化計画を推進し続けるだろう」と述べている。

 そして、米中「新冷戦」時代の到来を告げるものとも評されるペンス演説である。

 NSS、NDS、ペンス演説における中国に関する認識や分析が正確か否かという問題は極めて重要である。だが、トランプ政権の関税に始まる対中強硬政策のエスカレートが、これらに見られる対中認識や分析に基づいて実施されていることは間違いないだろう。

 今年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、国家主席の3選禁止規定が撤廃され、習近平政権が10年を超える長期政権になる可能性が増大した。毛沢東に並ぶ「偉大な指導者」を目指す習近平にとって、米国の強硬な対中政策にいかに対応するかは、乗り越えなければならない難題である。

 米中関係は改善への展望が切り開けないまま、新年を迎えることになりそうだ。(敬称略)