政府の巨大IT規制、理由は? 情報取り扱い・不当取引問題視…個人から不安の声も
政府が巨大IT企業の規制に向けた基本原則を定めたのは、膨大なデータを収集するプラットフォーマーによる個人情報の取り扱いの不透明さや、事業者に対し圧倒的に優位な立場を背景にした不当取引の強要などを問題視したからだ。政府は独占禁止法を活用して規制する考えで、巨大IT企業によるデータを使った市場の寡占を防ぎ、公正で透明性の高い取引環境を整備する狙いだ。
政府は18日、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の規制に向けた基本原則をとりまとめ、成長戦略を議論する未来投資会議の構造改革徹底推進会合で報告した。基本原則を踏まえ年明け以降、政府は法改正を含めた規制措置の検討に入り、来年夏に閣議決定する未来投資戦略に盛り込む方針。
「検索すると、その情報が(勝手に)広告に利用される」。政府が巨大IT企業の規制に向け11月から12月にかけて実施した意見募集で、個人からこんな不安の声が寄せられた。
例えば、ネット検索を運営するグーグルは無料でサービスを提供するが、閲覧記録などの個人情報を使って広告を集め、巨額の利益を上げている。消費者は知らぬ間に個人情報を吸い上げられているが、SNSのフェイスブックで今春、個人データの流出が発覚するなど、情報の取り扱いの不透明さが指摘されている。
政府は、個人が自分のデータを巨大IT企業から他の企業に移せる権利を認めることも検討。データ寡占が崩れれば、新規事業者の参入障壁も低くなる。
データ寡占が進むことで巨大IT企業は取引先に対し、圧倒的に強い立場となる。政府が実施した意見募集では、ネットで取引を仲介する際などに「一方的に有利な契約内容になっている」といった不満が取引先から寄せられた。
政府は独禁法の「優越的地位の乱用」によって、こうした不当な取引を規制する考えだ。また、独禁法を補完するため、重要な取引条件は開示を義務付けることも検討する。
ただ、ネット検索やSNSなどは日本でも広く普及し、消費者に利便性を提供してきた。今後も自動運転といったイノベーション(技術革新)で、巨大IT企業の果たす役割は大きいとみられる。
このため、基本原則では「イノベーションにも十分配慮」と明記。技術革新の阻害要因にならない規制のあり方も重要になる。
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