消費税増税対策、恩恵に濃淡…子育て層は負担軽く

 

 平成31年度予算案には、キャッシュレスでの買い物に対するポイント還元策など、消費税増税に伴う景気対策が盛り込まれた。ただ、地方ではクレジットカード対応の店が少ないといった問題があり、増税対策の恩恵のおよび方には濃淡が出そうだ。一方、幼児教育・保育の無償化が導入されることから、子育て層の負担は軽くなる。

 「キャッシュレス決済が可能な環境を整えてからやらないと、恩恵は都会に住む人にしか行き届かない」

 愛知県に住む教員の男性(68)はこう憤る。増税対策で行うポイント還元策は中小店舗でのカードなどを使った買い物に対し、税抜き価格の5%がポイントで戻る政策。しかし、男性の近所の店の多くは、まだカード決済に対応していないのだ。

 ポイント還元策は増税後の景気下支えに加え、20%程度と世界的にも低い国内のキャッシュレス決済比率の引き上げを狙う。

 だが、導入には課題が多く指摘されており、その一つが地域ごとにキャッシュレス決済の普及にばらつきがあることだ。国は端末の導入費用支援などを行う予定だが、店側の対応がどこまで進むかは不透明。また、高齢者や低所得者がカード発行の審査に通りにくいといった問題もある。

 増税対策としてはこのほか、2万円で最大2万5千円分の買い物ができるプレミアム付き商品券の発行や、省エネ性能などに優れた住宅を購入した人にポイントを還元する制度の創設も盛り込まれた。これに対しては、専門家から「住宅や自動車の減税対策も合わせると過剰でバラマキ批判につながる」との声も上がっている。

 一方、恩恵が大きいのは子育て層だ。

 《3歳から5歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が無償化されます》

 今年9月、2人の娘を持つ埼玉県の女性(40)には、長女(6)が通う幼稚園から、来年10月に始まる幼児教育・保育の無償化策に関するお知らせが届いた。次女(3)は来年から幼稚園。長女の保育料は毎月2万5千円を負担しており、女性は「すごく助かる」と歓迎する。

 社会保障費の抑制策としては薬価の引き下げも行われ、10月から調剤薬局で処方される医療用医薬品は平均0・51%値下げされる。ただ、恩恵の実感は少なそうで、東京都の会社員(29)は「その程度の価格変化なら一喜一憂しない」と話す。

 75歳以上の後期高齢者が支払う医療保険料を最大9割削減する低所得者向けの特例措置は10月に廃止される。だが、消費税増税による家計負担増を踏まえ、一部に対して1年間限りで国費で補填(ほてん)することを決めた。(蕎麦谷里志)