増税後が得なケースも…手厚い政府の住宅購入支援策

 
買い時はいつか-。住宅展示場でモデルハウスを行き来する訪問客

 大手銀行は消費税増税前の住宅の駆け込み需要の取り込みに動き始めたが、人によっては増税後に住宅を購入する方が得をする場合もありそうだ。増税による住宅市場の需要減対策として、政府は住宅ローン減税の控除期間の延長や、住宅購入費の一部を補助する「すまい給付金」の年収要件の緩和、支給額の拡大などの手厚い支援策を用意している。借入額や収入によっては、増税後の方が購入負担が軽くなるケースが出てくる。

 住宅ローン減税は、住宅の新築や増改築などをした場合、年末の住宅ローン残高の1%(年最大50万円)を10年間、所得税などから差し引ける制度だ。支援策では、増税後に住宅を購入し、平成32年末までに入居する人を対象に、税の控除期間が13年に延長される。

 延長される3年間は、住宅やマンションの建物購入価格の2%分を3年かけて所得税などから差し引ける。例えば、建物部分の価格が3千万円の住宅を購入した場合、2%の消費税増税分に相当する60万円を取り戻せる可能性がある。

 ただし、この建物価格の2%を3等分した額と、借入残高の1%分の金額を比べて少ない方を実際に還付される減税額とするため、「借入残高が少ない人などは増税分が控除されない」(住宅販売業者)という。

 とはいえ、住宅ローン減税以外にも、10月以降に受けられる恩恵は大きい。「すまい給付金」の支給額は最大30万円から最大50万円に、対象も年収510万円以下から775万円以下まで広げられる。また、省エネや耐震などに優れた住宅を新築・増改築した人に商品と交換できるポイントを付与する「住宅エコポイント制度」も導入される。

 親や祖父母から住宅購入の資金援助をしてもらう際の贈与税の非課税枠は現行の最大1200万円から10月以降は最大3千万円に拡大される。

 だが、住宅取得においては消費税率よりも、物件価格や住宅ローン金利の変動の与える影響の方が大きい場合もある。「5千万円の住宅ローンを借りた場合には0.1%の金利上昇で、返済額が100万円以上増えることもあり得る」(金融関係者)。2020年東京五輪・パラリンピック後の再開発で、都内に分譲マンションが大量供給され、市場の値崩れを起こす観測もある。いつ買うのが得なのか慎重な見極めが必要だ。(西村利也)