ミャンマーの2大都市結ぶ鉄道を近代化 日本、2630億円借款
日本がミャンマーの老朽化した鉄道の近代化支援に乗り出した。最大都市ヤンゴンと第2の都市マンダレーを結ぶ鉄道の改修事業が既に着工。日本はインフラ輸出の重要な柱と位置付けて総額約2630億円の円借款を供与する。所要時間は片道15時間が半分に短縮され、利便性が大きく改善する見通しだ。
この路線は英国の植民地時代に建設され、ディーゼル車両が平均時速40キロでのんびり走る。首都ネピドーを経由、ミャンマーの全人口の4割が沿線に住む大動脈だが、運行本数は1日にわずか3往復。利用客は片道8~10時間で行き来するバスなどに流れがちだ。
今回着工したのは路線距離620キロのうち、ヤンゴン側260キロの一部。国際協力機構(JICA)によると、日本工業規格(JIS)で認証されたレールを導入、200カ所以上の橋を架け替える。信号通信設備と車両も更新する。
完成は2024年の予定。最高時速はその後100キロに上がる見込みだ。鮮度の高いまま野菜や果物の輸送も期待される。出身地マンダレーまで普段はバスを利用するというヤンゴンの女性教師、エスターさんは鉄道改修について「事故や渋滞で時間が読めないバスより安心。所要時間が短くなるならもっと利用したい」と話した。
日本は鉄道分野でほかに、ヤンゴン市内の環状線の改修を手掛けた。中国も巨大経済圏構想「一帯一路」に向けて攻勢を強め、昨年10月に中国国境をつなぐルートで新たな高速鉄道整備をミャンマー側に提案した。
日本政府関係者は11月11日、改修工事の起工式で、中国の動きを念頭に「日本が高速鉄道が実現するまで継続して協力したい」と発言。ミャンマーはまだ鉄道電化も果たせていないだけに「高速鉄道実現は遠い夢」(地元記者)だが、日中のつばぜり合いが激しさを増している。(ヤンゴン 共同)
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