【生かせ!知財ビジネス】IPlytics 日本の幅広い顧客層狙う

 
日本市場への期待を寄せる、独IPlyticsのティム・ポールマンCEO

 □ドイツ発スタートアップIPlytics

 ドイツ発の知財関連スタートアップ企業、IPlytics(ベルリン)は、特許・技術関連情報をいち早く分析するためのプラットフォーム「IPlytics Platform」のサービスを世界で展開している。同社は企業の特許出願規模などを基に検討した結果、日本が顧客の3分の1を占めるようになる潜在力ある市場だとみており、現在、日本での顧客開拓を進めている。

 同社のティム・ポールマン最高経営責任者(CEO)は「大規模な(特許・技術)ポートフォリオを有する大企業はもとより、コンサルティング会社や調査会社、ベンチャーキャピタルなど、できるだけ狙う顧客層の幅を広げながら販売していく」考えだ。

 同社の設立は2012年。前職が企業コンサルタントだったポールマンCEOは、企業には新技術と市場とのつながりに関する情報に対して高いニーズがあることを痛感。デジタル化された膨大な情報を素早く分析できるサービスを作りたいと起業した。

 日本の知財情報分析では近年、経営戦略的な観点を重視した「IPランドスケープ」が話題だ。一方、IPlytics Platformは、クラウドベースのツールでインターネットとブラウザーがあれば、あらゆる観点から分析できるのが売りだ。データベースは、世界の特許9000万件、論文6000万件、企業300万件に加え、標準規格400万件、標準必須特許28万件のほか訴訟、スタートアップ企業などの情報をそろえた。

 独自の人工知能(AI)技術を使った任意のキーワードによる検索機能、引用関係を基にした評価機能を搭載。まだ入力文書解釈による検索機能はないものの、技術開発・活用のトレンドやシェアの分析を図示化する機能や、譲渡情報と併せて特許の経済価値を判断する機能もある。知財部門に戦略的な洞察を与えるだけでなく、ライセンス渉外部門、法務部門などでの戦術面、実務面で使えるツールだ。ライセンス交渉がつきものの標準必須特許分析では世界の大手企業で高い評価を得ている。

 ポールマンCEOは「日本は欧米、特に米国と比較すると、データに注目するレベルが違う。データは細かいほどいい、という感覚があるようだ。そのデータを提供することによって信頼感が伝わるのでは」と日本市場への思いを述べた。(知財情報&戦略システム 中岡浩)