牛肉、対中輸出再開へ前進 閣僚級経済対話 検疫協定は実質合意
日中両政府は14日、閣僚級による「日中ハイレベル経済対話」を北京で開いた。日本産牛肉の中国への輸出再開に向けた一条件となる「動物衛生検疫協定」について実質合意した。輸出が解禁されるまでには今後他の手続きが必要になるが、日本側議長を務めた河野太郎外相は会議終了後、記者団に「解禁に向けた重要なステップだ」と語った。
経済対話は2007年12月に第1回を開催し、今回で5回目。外交関係の悪化によって約8年間中断していたが、昨年4月に再開した。今回は河野氏のほか世耕弘成経済産業相、吉川貴盛農水相ら6閣僚が出席した。6閣僚の出席は10年8月の第3回以来で、日中関係改善を印象づけた。
河野氏は、中国で事業展開する日本企業に対する「強制的な技術移転や知的財産権保護に関する懸念を(会議で)中国側に伝えた」ことも明らかにした。中国側は、第5世代(5G)移動通信システムの活用をめぐり、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などを日本市場から排除しないことなどを求めた。
中国は01年の牛海綿状脳症(BSE)発生以降、日本からの牛肉の輸入を禁止している。ただ近年は日本を訪れる中国人旅行客の間で日本産牛肉への人気は高く、輸出が再開されれば日本の畜産農家にとっては販路拡大の好機となりそうだ。
河野氏は会議冒頭「国際社会で不確実性が高まる中、両国には多国間のさまざまな課題についてより大きな貢献を行っていく責務がある」と述べ、世界2位、3位の経済大国同士による連携強化の必要性を訴えた。中国外務省によると、王氏は、中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に日本が「より明確な態度で参画することを期待する」と語った。
日本側は、東京電力福島第1原発事故を理由に中国が実施している日本産食品の輸入規制の緩和・撤廃も要求。日中企業による第三国市場でのインフラ投資協力などについても議論した。(北京 共同)
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