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「内容的にはむしろ悪い」 GDP、実態は内外需とも不振に

 2019年1~3月期の実質GDP速報値はプラス成長を維持し堅調だったが、実態をみると、中国経済減速を背景に企業収益は悪化し、内需の牽引(けんいん)役である設備投資や個人消費も振るわない。海外経済の悪影響が広がり始めており、今後の政府の景気認識に影響を及ぼす可能性もある。

 輸出は、米中貿易摩擦などによる中国経済減速の影響でIT関連中心に低迷した。輸出入の差に当たる外需は計算上、GDPの押し上げに貢献したが、内需の低迷で輸入が輸出以上に落ち込み「内容的にはむしろ悪い」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)。

 一方、内需の柱である設備投資も、輸出減が企業の慎重姿勢を招きマイナスとなった。「根強い省力化投資の需要などがある」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)ものの、支えきれなかった。

 もう一つの内需の柱である個人消費は「食品などの値上がりも消費者心理に悪影響を及ぼした」(内閣府幹部)。住宅投資に関しては、市場関係者から「10月に予定される消費税増税前の駆け込み需要があった」との見方が出ている。

 今月24日には、政府の正式な景気認識を示す5月の月例経済報告が発表される。今回のGDPを受け、「景気は緩やかな回復基調にある」としてきた政府の判断が修正されるかが焦点だ。

 成長軌道を今後も維持するのに必要なのは海外情勢に左右されない強い内需作り。賃上げや社会保障に対する若年層の不安解消などを通じ、消費意欲を高める取り組みが不可欠だ。(山口暢彦)