【骨太】「脱炭素社会」実現へ技術開発でリード

 
臨時閣議に臨む(左から)茂木経済再生相、安倍首相、麻生財務相兼金融相=21日午後、首相官邸

 成長戦略では、地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」に基づく長期戦略の策定などが盛り込まれた。今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」を実現する目標に向け、ビジネス主導による技術革新や国際的な資金循環の仕組み構築などを重視。気候変動への対応を「コストではなく未来に向けた戦略」(安倍晋三首相)と位置づけた。

 成長戦略では、水素の製造コスト引き下げや二酸化炭素(CO2)の有効活用について技術革新を加速化する「革新的環境イノベーション戦略」を年内に策定するとしたほか、クリーンエネルギーに関する世界20カ国の研究機関のリーダーを日本に招いた国際会議を開催することなどを記した。

 また技術革新を後押しするため、企業の環境に配慮する取り組みや技術開発を「見える化」した上で、積極的に取り組む企業に対する「ESG投資」の促進や、技術革新の成果をビジネスにつなげる環境整備といった内容が記された。

 明記された事例のうち、特に水素分野は燃料電池車(FCV)や家庭向け燃料電池(エネファーム)の市場投入などの技術開発で世界をリードする。またCO2の有効活用も人工光合成などの研究が産学官連携で進む。日本主導で実用化に向けた技術開発が進めば、企業の技術輸出につながるほか、脱炭素社会に向けた日本の国際的な発言力が高まる効果もある。

 また太陽光発電などの再生可能エネルギーの大量導入を後押しするような電力ネットワークの増強や、天候などの要因に左右されやすい再生エネをサポートするため、「必要な供給力・調整力」の仕組みを整えるとした。原子力発電所については安全性を最優先としつつ、再稼働を進めるとの方向性を示した。(佐久間修志)