外資の出資規制強化へ 情報流出防止 届け出基準「1%」に下げ
政府は8日開かれた関税・外国為替等審議会(財務相の諮問機関)分科会で、原子力やサイバーセキュリティーなど安全保障上、重要な企業への外資の出資規制を厳格化する方針を示した。外国企業などが該当する日本企業の株式を取得する場合、事前に届け出が必要な基準の保有割合を「10%以上」から「1%以上」へと引き下げる。政府は、方針を受けた外為法改正案を今臨時国会に提出する考えだ。
念頭にあるのは中国で、日本企業からのハイテクや機密情報の流出を防ぐことなどを狙う。米欧がすでに中国を念頭に同様の外資規制強化を進めており、日本も歩調を合わせる。
現行の外為法では武器、航空機、原子力、サイバーセキュリティー、電気・ガスといった国の安全などに関わる業種の上場企業について、外国企業が株式を10%以上取得する際、事前に届け出をしなければならないことになっている。
今回、政府は外為法を改正し基準を「1%以上」へと引き下げる。「10%」は会社の解散を請求できる比率、「1%」は株主総会での議題を提案できる比率となる。
「役員就任」や「重要事業の譲渡提案」を通じて経営への影響力行使につながる場合も届け出義務の対象とする。同盟国の行政機関などとの情報連携を強化することも盛り込む。基準が守られず投資が行われたような場合は、最終的に株の売却を命令することを想定する。一方、安全保障上の懸念がない投資は事前の届け出を免除するなどして投資を阻害しないよう措置する。
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【用語解説】外為法
正式名称は外国為替及び外国貿易法。日本と外国との貿易などを必要最小限度で管理・調整し、安全保障や日本の経済発展などに役立てることを目的とする。一部の業種に関しては、日本企業の株式を取得しようとする外資に事前の届け出を求め、審査している。最初に制定されたのは1949年。
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