豪の山火事、コアラ数百匹犠牲か

 
オーストラリアの野生のコアラ(コアラ基金提供・共同)

 オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州で大規模な山火事が起きた。同国のシンボル的存在のコアラ数百匹が巻き込まれて死んだ可能性があり「悲劇だ」との声が上がっている。

 山火事は10月26日に最大都市シドニーから約400キロ北にあるポートマッコリー近郊で落雷が原因で発生し、同30日までに2000ヘクタール以上が焼けた。

 コアラが専門のポートマッコリー・コアラ病院のアシュトン院長によると、この地域には「多様な遺伝的背景を持ち、環境への適応力が高いコアラ数百匹が生息している」という。

 コアラは山火事に遭遇すると、餌となるユーカリの木の高いところまで登り、体を丸めてやり過ごす。体毛が焦げるだけで済むケースもあるが、皮膚をやけどすると重症化しやすい。地上に降りる際、まだ熱を持った木の幹や枝を伝うことで手足を損傷することも多く、野生に戻れなくなることもあるという。

 同病院はコアラを40匹収容できるが、現場に入れるようになったらボランティア150人以上動員してコアラを救助する。

 オーストラリアでのコアラの生息数は2016年発表の33万匹との推計もあれば、10万匹を切っているとみる保護団体もある。国際自然保護連合(IUCN)のリストでは絶滅危惧種の一つ「危急種」とされている。(シドニー 共同)