国内

気候変動、経済に破局的影響 世界の科学者、再エネ拡大など提言

 「人類は地球温暖化による『気候の緊急事態』に直面しており、このままでは経済や社会に破局的な影響が生じる」と警告する論文を米オレゴン州立大の研究者がまとめ、趣旨に賛同する153カ国、約1万1000人の科学者の氏名とともに、生態学の専門誌に13日までに発表した。日本からも山本良一・東京大名誉教授らが賛同した。

 同州立大のウィリアム・リップル特別教授らは、人口増加に歯止めをかけることや再生可能エネルギーの拡大と省エネ、森林保護、肉食やフードロスを減らすなど6分野で緊急な行動が必要だと宣言した。

 過去40年間の世界の人口やエネルギー消費、二酸化炭素(CO2)排出量のほか、航空旅客数や肉の消費量など、人間活動の拡大状況をデータで検証。異常気象の発生数や災害の損害額、グリーンランドの氷の減少量といった地球環境の変化を示すデータと突き合わせ、人間が環境に与える影響が近年、急激に大きくなっていることを示した。

 リップル特別教授は「気候変動は多くの科学者の予想を超えるペースで進んでおり、地球の気候は緊急事態にある」と指摘。経済政策や人口政策などの大転換が必要とした。

 論文の趣旨に賛成する科学者に署名を求めると、今月初めまでに1万1000人余りが賛意を示した。

 山本名誉教授は「観測史上例がない気象災害の多発を見ても、緊急事態だとの認識が広がっていることは驚きではない」と指摘。「日本の政治家や企業、一般市民、研究者、メディアには危機感がなさ過ぎる。温室効果ガスの大幅な排出削減のための思い切った行動が急務だ」と訴える。