万博効果まだ…来年、近畿の景気「悪化」36・5% 帝国データ調査

 

 近畿で来年(令和2年)の景気見通しを「悪化」局面と見込む企業が36・5%にのぼり、「回復」の8・1%を大きく上回ったことが、帝国データバンクの企業意識調査で分かった。また今年(元年)の景気が「悪化」だったと答えた企業は33・4%で、前年の15・8%から2倍以上に拡大した。近畿では令和7(2025)年の大阪・関西万博に向けて、鉄道建設や地域再開発の計画が相次いでいるが、経済効果はまだ広がっていないようだ。

 ■中国経済減速を懸念

 調査は平成18年から毎年11月に全国で実施。近畿2府4県では今年、3933社を対象に行い、1678社から回答を得た。

 その結果、来年(2年)の景気を「悪化」と見込む企業は7年ぶりに3割を超えた。ただ全国平均37・2%よりは少なかった。

 「悪化」を業種別に見ると、小売りと不動産がそれぞれ48・9%で5割近くに達した。府県別では滋賀県が43・5%、和歌山県が43・2%と4割を超えた。

 企業からは「消費税増税の影響が(今年より)深刻になる」「東京五輪後に景気が一段と減速する」といった声が目立った。

 反対に「回復」を見込む企業は7年ぶりに1割を割り込んだが、全国平均の6・8%は上回った。

 来年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料(3つまで回答)は「中国経済」が41・7%で、前回調査の21・4%からほぼ倍増。「人手不足」40・9%、「米国経済」26・9%が続いた。

 ■大震災以来の高水準

 今年(元年)の景気動向を「悪化」とした近畿企業は2年連続で増え、全国平均の31・2%を2・2ポイント上回った。東日本大震災翌年の平成24年(52・1%)以来7年ぶりの高水準。企業からは、米中貿易摩擦による中国の景気悪化や、消費税増税の影響を指摘する声が多く聞かれた。

 反対に「回復」局面とした企業は、近畿は全国平均と同じ3・7%だった。

 調査をまとめた帝国データバンク大阪支社の三好暁久氏によると、近畿は製造業が盛んで中国への輸出比率が高く、中国景気の影響を受けやすいという。

 ■韓国人客減少は影響軽微

 一方、訪日韓国人客減少の影響はあまりみられなかった。三好氏は「韓国以外からの訪日客が増えているほか、東京五輪による集客効果への期待が大きいから」と分析している。

 大阪万博をにらんだ投資の効果は今後、期待できそうだという。三好氏は「他の地域に比べ、近畿にはプラスアルファの好材料」と指摘。万博が開かれる令和7年に向け「近畿の景気動向はいい方向に推移する可能性がある」とみている。