来年3月イスラエル総選挙 1年で3度目 ネタニヤフ氏続投が焦点
政治混乱が続くイスラエルで、来年3月2日に1年間で3度目の総選挙が行われることが決まった。9月のやり直し総選挙後、与野党の代表がそれぞれ組閣に失敗したことを受け、国会が今月11日を期限に首相候補擁立を目指したが、交渉は不調に終わった。1年間で3度目の総選挙実施はイスラエル史上初となる。
与党の右派「リクード」党首のネタニヤフ首相は11日夜、最大野党の中道政党連合「青と白」が「大連立による次期政権の樹立を拒否した」と批判。「青と白」を率いるガンツ元軍参謀総長は「ネタニヤフ氏に責任がある」と反論した。3度目の総選挙も、収賄罪などで起訴されたネタニヤフ氏の続投の是非が最大の焦点となる。辞任要求が強まる逆風の中、首相は命運を左右する選挙に臨む。盟友関係にあるトランプ米大統領が「援護射撃」するか否かが総選挙の行方に影響しそうだ。
複数の地元メディアの世論調査によると、首相の起訴後も連立協議の枠組みとなる与野党勢力は拮抗(きっこう)し、いずれも過半数の議席を獲得できないという構図に大きな変化はない。3度目の総選挙が混乱収拾につながるかどうかは見通せない。
イスラエルの法律では起訴されても有罪確定まで首相職を辞める必要はなく、ネタニヤフ氏は次期政権発足まで在職の見通し。ただ起訴された議員に次期政権の組閣を担う権利があるか否かは不透明だ。司法当局が否定的見解を示せば首相は政治生命の危機に直面する。
イスラエルでは4月に国会(定数120)総選挙が行われ、ネタニヤフ氏が組閣を目指したが右派勢力の分裂で失敗。9月に史上初の再選挙が行われ、ネタニヤフ氏とガンツ氏がそれぞれ大連立による政権樹立を模索したが、これも失敗した。(エルサレム 共同)
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