中国「豚転がし団」 感染デマ流し買いたたき
アフリカ豚コレラ(ASF)の感染を背景に豚肉の価格高騰が続く中国で、感染のデマを流して養豚業者をだまし、豚を安く買いたたいて転売する集団が問題になっている。株を投機的に売買する行為に引っかけ「豚転がし団」と呼ばれる。豚肉の供給と価格の安定を急ぐ政府は取り締まりの強化方針を示した。中国メディアが報じた。
ニュースサイトの新浪網などによると、悪質業者らは政府の検疫をかいくぐり、価格差がある省をまたいで豚肉を安く売買する。検査証明書も偽造。中には豚の群に死骸を投げ込み、周囲にアフリカ豚コレラが発生したと思い込ませ、養豚業者に格安で豚を手放させるケースもある。小型無人機(ドローン)を使ってウイルスをばらまいた疑い例すらあるという。高値で転売するため、一般消費者に恩恵はない。
農業農村省の幹部は先ごろの会見で、こうした集団の存在を認め、防疫の障害にもなるとして「厳しく対処する」と強調。現地当局と連携を深めると表明した。
豚肉の値上がりで、中国の11月の消費者物価指数(CPI)は7年10カ月ぶりの高水準。経済の司令塔である国家発展改革委員会は、豚肉の供給回復でCPIは落ち着くとしているが、年明けには春節(旧正月)の大量消費期を迎えるため、引き続き上昇を警戒する。(北京 共同)
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