トルコ、石像並ぶネムルト山山頂の遺跡が人気
トルコ南東部のネムルト山(標高約2150メートル)の山頂に、巨大な石像の頭部が並ぶ古代遺跡がある。トルコと日本を結ぶ直行便の増便も予定されており、地元の旅行業界は「日本人観光客も増えてほしい」と期待している。
遺跡は、紀元前1世紀ごろに北シリア一帯を支配していたコンマゲネ王国の王、アンティオコス1世の墓とされる。山頂の東側と西側の斜面に、ギリシャ神話の主神ゼウスやライオン、ワシなどの石像の頭部が並ぶ。高さは1~2メートルほどで、近くには首から上部がない大きな座像もある。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は1987年、遺跡を世界遺産に指定した。現地ガイドの男性は「墓室が見つかっていないなど、遺跡には謎が多い」と説明する。
観光客に人気なのは、山頂で日の出や日没を迎えるツアーだ。石像が朝日や夕日に染まる光景が幻想的で、欧米のほか韓国や中国でも人気が高まっているという。
トルコ航空は、4月に最大都市イスタンブールと関西空港を結ぶ直行便を再開させ、成田空港便も増便する予定。羽田空港とトルコを結ぶ便も開設されることになった。
日本の外務省はネムルト山がある南東部アドゥヤマン県について渡航時の十分な注意を呼び掛けている。トルコは2019年10月、シリア北部で軍事作戦を行った。ネムルト山でホテルを経営するアブゼル・アイドゥンさんは「国境からかなり離れており、治安に問題はない。もっと多くの日本人に訪れてほしい」と話した。(アドゥヤマン 共同)
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