ボーイング787減産拡大 新型肺炎影響 追加対応の可能性

 
ボーイングの次世代機「777X」(AP)

 米航空機大手ボーイングは29日、中型機「787」の減産を2021年から拡大すると発表した。米中貿易摩擦の長期化で中国向け需要が低迷しているため。2度の墜落事故を起こして運航停止中の主力機「737MAX」に代わる収益源だが、業績への影響が避けられない。

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大の影響は考慮されていないとみられ、世界的に航空需要が落ち込めば、さらなる対応を迫られる可能性もある。

 787は三菱重工業が複合材主翼と呼ばれる主要構造部を担うなど、日本メーカーの部品や材料が多く採用されており、打撃は必至だ。

 初飛行が成功した次世代大型機「777X」の初出荷時期は、これまでの21年早期から21年に修正した。業績立て直しの切り札として期待されているが、事業化が遅れる可能性もある。

 787は既に、現在の月産14機を20年後半から12機に減らす計画を公表していたが、21~22年は、さらに減らして10機にする。 (ニューヨーク 共同)