首相記者会見全文(3)「『フサン』投与もスタート」「かつてない強大な政策パッケージ」
「『アビガン』には、海外の多くの国から関心が寄せられており、今後希望する国々と協力しながら、臨床研究を拡大するとともに、薬の増産をスタートします。新型コロナウイルス感染症の治療薬として、正式に承認するに当たって必要となる治験プロセスも開始する考えです。エボラ出血熱の治療薬として開発されていた『レムデシビル』については、日米が中心となった国際共同治験がスタートしています。
そして、5つ目の有力候補として膵炎(すいえん)の治療薬に承認されている『フサン』について今後観察研究として、事前に同意を得た患者の皆さんへの投与をスタートする予定です。さらには現在、治療薬やワクチンなどの開発に向けて、大学や民間企業でもさまざまな動きが出てきています。
これらを政府が力強く、後押しすることにより、あらゆる可能性を追求します。日本だけでなく、世界中を未曽有の不安と恐怖が覆う中で、日本は持ち前のイノベーションの力で希望の灯をともす存在でありたいと願っています。
これまでになく、厳しい状況に陥っている現下の経済情勢に対しても、思い切った手を打ってまいります。
昨日、来年度予算が成立しました。これによって、医療や介護など社会保障の充実、高等教育の無償化など、予算を切れ目なく新年度から執行することができます。
加えて、この後、政府対策本部を開催し、緊急経済対策の策定を指示いたします。リーマン・ショック以来の異例なことでありますが、来年度予算の補正予算を編成し、できるだけ早期に国会に提出いたします。
国税・地方税の減免、金融措置も含めあらゆる政策を総動員して、かつてない強大な政策パッケージを練り上げ、実行に移す考えです。
昨日まで7回にわたり、現場の声、地域の声を直接伺ってまいりました。さまざまな活動の自粛などに伴って、日本経済全体に渡って極めて甚大な影響が生じています。来月のバス予約は前年比で9割減。航空業界もすでに年間の営業利益が全て吹っ飛ぶぐらいの減収となっています。
宿泊や飲食といった業界でも売り上げが8割、9割減ったところが多い。音楽業界ではイベントが中止となり、売り上げはゼロどころか、マイナスだという話もありました。
先行きが見通せない中で、中小・小規模事業者の皆さんからは、まさに死活問題であるとの悲痛な声がある一方で、歯を食いしばってこの試練を耐え抜くよう頑張っていくという決意も伺うことができました。政府として、こうした窮状を徹底的に下支えし、地域の雇用、働く場所はしっかりと守り抜いてまいります。
そして、こういうときだからこそ、人々の心を癒やす文化や芸術、スポーツの力が必要です。困難にあっても、文化の灯は絶対に絶やしてはなりません。
ただ、どうしても感染拡大の防止が最優先となる現状では、まずこの難局を乗り切っていただくことに重点を置いた対策を進めます」
=(4)に続く