組織委が契約企業に東京五輪協賛金の追加拠出要請 大会延期で
東京五輪・パラリンピックの延期に伴い、大会組織委員会がスポンサー契約を結ぶ企業に対し協賛金の追加拠出の要請を始めたことが21日、関係者への取材で分かった。大会の追加費用は数千億円規模とみられ、新たな財源の確保が課題となっている。ただ、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化しており、企業は難しい判断を迫られそうだ。五輪開幕まで23日で1年となる。
追加経費をめぐっては、組織委の武藤敏郎事務総長が今秋に全体像を提示する意向を表明している。同委は開催都市の東京都、国との間で負担の割合を議論する見通しだ。
スポンサーは国際オリンピック委員会(IOC)と契約する最高位の「TOPパートナー」のほか、東京五輪に限った「ゴールドパートナー」など全部で4つの区分があり、それぞれ契約内容や協賛金の額が異なる。
今月に入り、組織委の森喜朗会長や武藤氏らが、順次ゴールドパートナーなど同委の契約先企業を直接訪問し、追加の拠出を要請した。費用の全体像が明らかになっていないため、各スポンサーの具体的な負担額の提示も先送りしているもようだ。
武藤氏は、東京大会のスポンサー企業との契約が年末で切れるため、延期に伴う契約延長について「来年の開催を前提に説明に上がりたい」と、自ら要請する考えを示していた。
コスト削減や感染予防の観点から、IOCと組織委は大会運営の簡素化を進める方針で一致。組織委としては追加費用を最小限に抑え企業側の理解を得たい考えだ。
一方、簡素化によって観客数が削減される可能性もあり、企業にとってはPRの機会が失われかねない。さらに、感染が収束せず五輪が再び延期されたり、開催そのものが取りやめられたりすれば、拠出した費用が無駄になるとの懸念が残る。
【用語解説】東京五輪・パラリンピックの費用 従来の計画では、大会経費の総額は1兆3500億円。このうち大会組織委員会が6030億円、東京都が5970億円、残りの1500億円を国が負担することになっていた。延期に伴う費用は概算で3000億円規模と見込まれるが、5000億~6000億円に膨らむとの見方もある。組織委の収入の柱となるのが国内のスポンサー企業による協賛金で、現状では組織委の予算6300億円のうち3480億円となっている。