海外情勢
シンガポール、コロナの影響でデング熱猛威
シンガポールで蚊が媒介するデング熱が猛威を振るっている。患者数は5日、過去最多の約2万2403人に上った。新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務常態化に伴い、住宅地の水たまりなどで繁殖した蚊に刺される人が増えたのが一因とみられている。
シンガポールでは4月上旬~6月中旬、買い物などを除く住民の外出がコロナ対策で原則禁止となり、多くの人々が自宅にとどまった。現在も政府は、可能な限り在宅勤務を続けるよう求めている。緑地などの手入れを担当していた外国人労働者がコロナウイルスに集団感染し、多くが仕事に復帰できていないことも影響しているとみられる。
環境庁によると、1週間当たり1000人以上のデング熱感染が続き、過去最多だった2013年の2万2170人を超えた。保健省によると、死者は20人。
デング熱の流行期は10月までとみられ、政府は住宅地を立ち入り検査し、水たまりなど蚊の発生源を見逃した住民への罰則を強化。殺虫剤の散布を呼び掛けている。
デング熱は主に熱帯や亜熱帯地域で流行し、発熱や頭痛、筋肉痛を発症する。特別な治療薬はない。(シンガポール 共同)