海外情勢
英EUのFTA交渉「大きな溝」 英首相と欧州委員長、共同声明
【ロンドン=板東和正】英国のジョンソン首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は3日、共同で声明を発表し、自由貿易協定(FTA)など新たな関係構築に向けた交渉の主要課題をめぐり、「(英EU間に)大きな溝」があるとの見方を示した。両氏は同日、テレビ会議方式で会談し、交渉を継続することで一致した。英EUは合意の期限を現時点で15日のEU首脳会議に設定しており、交渉の日程は残り少ない。
英EUはFTAなどをめぐる9回目の交渉会合を9月29日から10月2日にかけて開催した。
ジョンソン氏とフォンデアライエン氏は3日の声明で、交渉について「進展があった」と評価した上で、「公正な競争条件の確保」や「英周辺海域の漁業権」などの主要課題について、重大な相違が残っていると明かした。
英EUは主要課題の合意を目指し、集中協議を実施する方針も表明。英側で交渉を率いるフロスト英首席交渉官は同日、自身のツイッターで、集中協議について「5日の週にできるだけ早期に始める」とした。