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農地守る「担い手」、住民以外でも 農水省検討会で提起

 人口減少時代の農山村の土地利用を考える農林水産省の有識者検討会の第5回会合が11日、東京都内で開かれ、農地を守る「担い手」について、集落に住んでいない非住民も継続的に農地の管理や利用に関われる仕組みづくりの必要性が提起された。

 農業の担い手が減る中、中山間地域を中心に増える耕作放棄地対策として、検討会はさまざまな選択肢を模索している。この日は新潟県新発田市の地域づくり団体「上三光(かみさんこう)清流の会」の小柳繁代表が、耕作放棄地に住みつくイノシシやサルの被害を防ぐ実践を報告。「農業体験イベントなどで地域の外から人が集まり、住民が地域に関心を持つことで、獣害対策も進んだ。農村を人生の宝物を発見する場にできないかと、常々考えている」と語った。

 委員のうち、岩手大の広田純一名誉教授は、小柳氏が東京からのUターン者であることに触れ、「農村活性化には、農村以外の視点が関わることが重要だ。最近では政策として必須、標準の考え方ではないか」と指摘。農地の担い手として、都市部に住みながら地域とさまざまな形で関わる「関係人口」など、非住民が継続的に参画できる仕組みづくりを提案した。

 広田教授は、非住民が地域の住民とともに耕作や草刈り、水路管理などの農作業を担っている例として、新潟県長岡市の山古志地区で平成16年の中越地震を機に結成された「山古志木籠(こごも)ふるさと会」などを紹介。「重要なのは運営を担う体制」として、集落での運営が難しければ、地域住民らでつくる「地域運営組織」や、地域おこし協力隊員らが担う可能性も挙げた。