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「緊急行動宣言」採択の関西広域連合 分かれる各府県の対応

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、首都圏の1都3県を対象にした緊急事態宣言発令を前に、対象地域への往来自粛などを求める「緊急行動宣言」を採択した関西広域連合。加盟府県でも感染は高止まり傾向だが、飲食店などへの営業時間短縮要請には慎重な自治体もあり、対応は分かれている。

 「東京で起きている感染急拡大は、大阪でも起きる可能性は十分にある」とするのは、大阪府の吉村洋文知事。広域連合の緊急行動宣言を受け、首都圏との往来自粛やリモートワーク推進を改めて呼びかけた。

 府は大阪市内全域の一部飲食店に対し、11日を期限に午後9時までの営業時間短縮と休業を要請しており、8日に開く対策本部会議で今後の対応を決める。昨年12月3日に「医療非常事態宣言」を出した後、新規感染者は徐々に減少しているが、重症病床(236床)の使用率は68・2%と逼迫(ひっぱく)が続いている状況だ。

 同様に11日まで京都市内の酒類提供店に午後9時までの時短要請をしている京都府は、週内の対策本部会議で期限の再延長やさらなる時短要請も検討する方針。新規感染者は今年に入ってからも1日と5日に100人を超え、病床使用率は30%台で推移している。

 一方、6日の感染者が248人と過去最多を更新した兵庫県は、飲食店に時短や休業は求めない方針。井戸敏三知事は5日の会見でも「前回の休業要請も(感染抑止に)どれだけ貢献したのか、はっきりしていない」としており、首都圏への往来自粛など、従来の呼びかけを徹底する。

 関西広域連合長を務める和歌山県の仁坂吉伸知事も首都圏への往来や成人式前後の大人数での会食を控えるよう呼びかける一方、飲食店への休業要請は「店で静かに楽しむ分まで目くじらを立てることはない」と見送った。飲食や買い物目的での大阪市への往来自粛を要請している奈良県も、飲食店に時短や休業は求めない方針。荒井正吾知事は「大都市と奈良は違う」としている。

 滋賀県は首都圏に加え、大阪、京都への不要不急の外出自粛を要請。確保病床の使用率は4日時点で86%に達したため、独自に定める警戒基準を上から2番目の「警戒」に引き上げた。

 徳島県も飲食店への時短要請は検討していないが、飲酒を伴う懇親会などへの注意を呼びかけている。鳥取県も、飲食店や職場では十分な換気や消毒などの徹底を改めて促している。