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福井県知事、40年超原発の再稼働は「県民に信頼される判断」

 福井県の杉本達治知事は27日、国の原子力政策などをめぐって梶山弘志経済産業相とテレビ会議で会談した。県内にある運転開始から40年を超えた関西電力の原発3基の再稼働について杉本知事は「私としては県民に信頼される判断をしていきたいと考えている」と述べた。近く再稼働への同意を表明するとみられる。

 3基は、美浜原発3号機(美浜町)と高浜原発1、2号機(高浜町)。両町は既に再稼働に同意し、福井県議会も今月23日に事実上容認した。運転開始から44~46年が経過し、東京電力福島第1原発事故の前後から停止したままだ。

 再稼働すれば、福島原発事故後に「原則40年、最長で延長20年」のルールができて以降初めてとなる。

 会談で梶山経産相は、3基の再稼働を進める国の方針と対応について「ご理解をいただくよう改めてお願い申し上げる」と訴えた。

 原子力政策について梶山経産相は、2030年度の温室効果ガス排出量を13年度比で46%減らす国の新たな目標に触れ、「この野心的な目標達成のために原子力を含む脱炭素電源を最大限活用していく」とした。

 発電量に占める原子力の比率は現在6%にとどまるが、梶山経産相は、現行の国のエネルギー基本計画で30年度の比率として定めている「2割程度まで高めていくことは必要不可欠だ」と指摘。その上で、「事業者と一緒になって原子力の信頼回復を図りながら、再稼働に最優先で取り組んでいきたい」と説明した。