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元住銀頭取・巽外夫氏お別れ会900人参列 マツダ再建、イトマン解体に尽力
元住友銀行(現三井住友銀行)頭取を務め、1月31日に97歳で亡くなった巽(たつみ)外夫(そとお)氏のお別れの会が27日、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。親交のあった政財界関係者など約900人が参列し、遺影に献花をして故人との別れを惜しんだ。
巽氏は1947年に住友銀入行。経営難に陥っていた旧東洋工業(現マツダ)を担当する融資第二部の部長に就き、米フォード・モーターとの提携をまとめるなど経営再建の立役者となった。87年に頭取就任後、戦後最大の不正会計事件となったイトマン事件が発覚。イトマンへの巨額融資を主導したとされる故磯田一郎会長に退任を迫り、イトマンの解体処理に尽力し、住友銀の再生に道筋をつけた。
新型コロナウイルス対策で、参列者が集中しないよう、弔辞やあいさつの読み上げは行わなかった。三井住友銀の宮田孝一会長と高島誠頭取は連名で、「故人は温厚かつ誠実な人柄で、誰とも分け隔てなく接し、感謝と気配りの心を忘れませんでした。教えをしっかり受け継ぎ、銀行のさらなる発展に邁進(まいしん)します」と参列者で故人をしのんだ。
会場には巽氏の勤務時代や家族との旅行の様子、第二次世界大戦中の海軍航空隊所属時代の写真などが飾られていた。