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与野党9党首討論会 発言、質疑の要旨を紹介

 与野党9党首は18日、衆院選を前に日本記者クラブ主催の党首討論会に臨んだ。要旨は以下の通り。

 立憲民主党・枝野幸男代表「選択的夫婦別姓を進めるため前向きな答えをお願いしたい」

 岸田文雄首相(自民党総裁)「一般の方々にとっては問題を深めなければいけない点がたくさんあるのではないか。引き続き議論していくことは大変重要だ」

 公明党・山口那津男代表「野党は選挙協力の合意を結んだが、共産党は『閣外協力』と言っている。政権選択の姿を国民に示していただきたい」

 枝野氏「(野党)4党で共通政策について合意している。政権を獲得できた場合に実行していく。基本的に単独政権を担う」

 共産党・志位和夫委員長「富裕層、大企業に応分の負担を求め、消費税を5%に減税すべきだ」

 岸田氏「消費税は社会保障の大切な財源だ。今の段階で消費税に触ることは考えるべきではない」

 日本維新の会・松井一郎代表「新型コロナウイルスで厳しい状況の方々を支える分配の手法と時期は」

 岸田氏「コロナの影響でさまざまな格差が広がった。コロナ対応として、より困った方々に給付すべきだ。コロナを乗り越えた後、新しい時代の経済対策で分配が大事だ」

 国民民主党・玉木雄一郎代表「非正規や子育て世帯に対する現金給付はいつ手元に届くのか」

 岸田氏「児童手当などの仕組みを活用してプッシュ型で支給することで、できるだけ早く支給することは可能だ」

 れいわ新選組・山本太郎代表「検査拡大、保健所による積極的疫学調査でクラスター(感染者集団)を封じ込める疫病対策の基本を今やるべきだ」

 枝野氏「おっしゃる通り。症状のない感染者を見つけ出すにはPCR検査が必要だ」

 社民党・福島瑞穂党首「大企業や富裕層の課税をなぜ言わないか。非正規雇用に歯止めをかける法改正はやるか。公立・公的病院再編統廃合は撤回するか」

 岸田氏「自公政権で400万人の雇用を生み出したが、非正規の問題に目を向けなければいけない。病床整理は地域と意思疎通を図りながら議論を続けたい」

 NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で・立花孝志党首「経済的に苦しい方のための公約を掲げて寄付を集めているが、詐欺的な貧困ビジネスではないか」

 山本氏「今の選挙システムは必ずお金が必要になる。私たちは市民の手で作られた市民政党だ」

 岸田氏「立民は1年限り消費税5%に引き下げると言っている。短いスパンで減税、増税を繰り返すと買い控え、消費減退といった副作用が大きくなる」

 枝野氏「1年間の時限は所得税減税だ。消費税は少なくとも3年から5年程度(減税し)、消費を誘導しなければならない。財源は国債で対応する」

 山口氏「公明は0歳から18歳までのお子さんへの給付を考えている」

 岸田氏「私たちは特に困っている方に現金給付を行うと申し上げている。与党として調整したい」

 志位氏「石炭火力発電所を2030(令和12)年までにゼロにするか。9つの石炭火力を新増設しようとしているのは矛盾だ」

 岸田氏「石炭火力は非効率なものから優先的に縮小しゼロに向かって努力をしていくが、効率、価格、安定供給を考えると、エネルギーのメニューは多く用意しておくべきだ」

 松井氏「共産党は日米同盟破棄、自衛隊違憲だ。ここをごまかしたまま選挙協力するのは有権者に対するごまかしだ」

 枝野氏「われわれは健全な日米同盟を基軸にする。そのことについて(共産党が)けしからんとおっしゃらないことを約束いただいている」

 玉木氏「教育・科学技術予算倍増の財源は」

 岸田氏「必要な部分は国債に頼る」

 山本氏「国難を救うために年間最大いくらの国債(発行)が必要か」

 岸田氏「非常時において人の命や暮らしがかかっている政策の財源は国債を思い切って使うべきだ」

 福島氏「なぜ核兵器禁止条約を批准しないのか。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の(名護市)辺野古移設に県南部戦跡の遺骨の入った土砂が使われている。憲法改悪は首相の思想信条に反するのでは」

 岸田氏「核兵器国をどう動かすかが唯一の戦争被爆国として大事な責任だ。辺野古の土砂の扱いは確定したものではない。憲法改正は現実的な、大変重要な取り組みだ」

 立花氏「次の選挙で5人以上当選すればNHK党と閣外協力するか」

 岸田氏「政策を中心に是々非々で対応していく」

 岸田氏「共産党は自衛隊は違憲だと主張しているが、有事に閣外協力でうまく調整が進むのか。普天間飛行場について米側とどう話し合うのか」

 枝野氏「政権として(共産党など)3党と事前に協議しなければ物を進められないという運営をするつもりはない。緊急時における自衛隊の発動は、行政権の発動として他党の意見も聞くが、幅広く国会の意見を聞くという意味にとどまる。海兵隊のプレゼンスは必要と思うが、(米側と)ゼロから認識を共有する」

 枝野氏「資本金100億円超の企業の法人税率を引き上げるべきだ」

 岸田氏「経済全体の活力も考え合わせた上で、具体的なありようを考えていくのが筋道だ」

 企画委員と各党首による質疑の要旨は次の通り。

 --「民主主義が危機にある」と発言した。安倍晋三、菅義偉両政権の悪いところは

 岸田氏「コロナ禍という国難の中で、政治と国民の心が離れてしまっている」

 --立民の支持率は4年前から半減した

 枝野氏「選挙の直後に野党の支持率が高く、選挙がないと下がっていく。世論調査で最終評価をしないでください。(評価を)決めるのは投票行動だ」

 --自公連立の功罪は

 山口氏「意見が違っても議論した上で合意をつくる経験と知恵がある。選挙協力が功を奏している。ここが長く続いた要素という指摘があり、その通りだ」

 --共産の委員長に就任して間もなく21年。統率力があるからか、人材がいないからか

 志位氏「たくさんの人材が出てきている。ぜひ、そこは見ていただきたい」

 --なぜ関西圏以外では弱いのか。議員の資質管理は大丈夫か

 松井氏「関西では実績を作ってきたが、関東では実績がないので支持が広がらない。他党で問題を起こした方々が維新から立候補している。再チャレンジは認めていこうと考えている」

 --なぜ国民民主は弱いのか

 玉木氏「改革中道を掲げている。フラフラしているように見えるかもしれないが、自民に代わる受け皿を作るのであれば外交・安全保障は現実的な対応をしていかなければいけない」

 --(出馬断念した)衆院東京8区から出馬すべきだった

 山本氏「民主的な政党同士でのやりとりがある限り、こういったことも生まれる」

 --社民の支持率は0%か1%。何ができるのか

 福島氏「今こそ新自由主義でなく、社会民主主義的な政策の実現で生活の安定を、と思っている」

 --包括的な政策を示すべきだ。政党名が変わって有権者も戸惑う

 立花氏「少数の政治団体と一緒に衆院選を戦うのでウイングを広げたい。政党名を変えるたびに報道されるので、無料で目立つという戦略だ」

 --「森友・加計」などで政治が説明をしないことにより政治不信が生まれた

 岸田氏「必要であれば説明を引き続き続けていく」

 --参院選広島選挙区の買収事件で党本部から拠出された1億5千万円について、国民は説明に納得しているか

 岸田氏「何が法律違反なのか、どこが本質的な問題なのか、整理した上での説明が求められる」

 山口氏「司法当局の判断が出たことは、しっかり受け止める必要がある」

 --自民党総裁選での目玉政策だった健康危機管理庁が消えた

 岸田氏「全く取り下げていない。法改正も念頭に置き体制を作っていく」

 --来年の通常国会に法案を提出するか

 岸田氏「司令塔機能は中長期的な課題として打ち上げた」

 --立民のコロナ対策は

 枝野氏「全体を調整するために官房長官がいる。病床確保は国がもっと積極的に直接やる」

 --公約は給付と減税のオンパレード。バラマキ合戦という批判もある

 志位氏「富裕層に対する優遇税制を改める。所得税、住民税を65%まで上げる。法人税は28%に戻す」

 玉木氏「正常の軌道に戻すための50兆円は全額国債でやったらいい」

 山口氏「スピード感という点で現金給付は優れている」

 枝野氏「財政規律は重要だが、百年に一度の危機から乗り切るための臨時措置は国債でやるしかない」

 --(国民に一定額の現金を毎月無条件で支給する)ベーシックインカムの財源は

 松井氏「所得が上がる部分は後に税として徴収する。歳入庁創設で8兆円、行財政改革で5兆円程度は出る」

 --消費税の議論は封印したままでいいか

 岸田氏「いきなり増税して穴埋めすると経済が潰れてしまう」

 --閣外協力に限定はあるのか

 志位氏「野党4党が合意した共通政策を実行しろというのが私たちの立場だ」

 --なぜ防衛費GDP(国内総生産)比2%か

 岸田氏「数字ありきではない。国民の命や暮らしを守るため何が求められるか徹底的に考えなければいけない」

 --敵基地攻撃能力の検討は

 岸田氏「ミサイル防衛体制で十分かどうか。選択肢としていろいろなものを考えていかなければならない」

 --公明をどう説得するか

 岸田氏「現実的に必要ならば、公明のみならず国民にも理解していただける」

 --なぜ核兵器禁止条約を放置するのか

 山口氏「核兵器を保有している国々がそっぽを向いたままでは核兵器のない世界は一歩も前進しない」

 --原発の新増設は認めるか

 岸田氏「再稼働の問題を考えた上でリプレースをする必要があるといった議論も一方である。議論したうえで方針を決める」

 玉木氏「果たして本当にゼロにしていいのかも含めて現実的に考えていく」

 --岸田氏は任期中に憲法改正できるか

 松井氏「速やかに各党の改正案を審議し、国民投票を実施していただきたい」

 --不退転の決意あるか

 岸田氏「もちろんだ」

 --性的少数者(LGBT)への理解増進法案を来年の通常国会に提出しない理由は

 岸田氏「今この段階で(法案提出の)時期を確定することは避けたい」

 --女性議員増を義務化するか

 岸田氏「環境整備を進めず法律の縛りを作っても、現実は変わっていかない」

 枝野氏「制度を導入すれば比例代表は必ずパリティ(男女均衡)になる」