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女子高生と自衛隊が異色のコラボ 地域との架け橋に

 女子高生と自衛隊がコラボレーション-。宇都宮市の宇都宮文星女子高が、自衛隊栃木地方協力本部(宇都宮市)の広報・隊員募集に協力している。同校の生徒が自衛隊員「あるあるエピソード」かるたや戦闘機、戦車の模型を作製したほか、隊員募集の横断幕を寄贈した。お堅いイメージの自衛隊と青春を謳(おう)歌(か)する女子高生。そんな両者の交流は全国でも珍しいという。

横断幕を寄贈した宇都宮文星女子高の生徒と自衛隊栃木地方協力本部。ファントムと戦車の模型はイベントなどで活躍している(鈴木正行撮影)
ファントムの模型は、自衛隊栃木地方協力本部が実施した広報イベントで活躍している(同本部提供)
自衛隊員の「あるあるエピソード」などを題材にしたかるた(鈴木正行撮影)

 「あるある」かるた

 同校と同本部の交流が始まったのは約2年前。同校美術デザインコースの宮本明子教諭が航空自衛隊基地に招待され、その体験をまとめたパネルを制作。同本部が宇都宮市内の広報掲示板に掲示したことがきっかけだった。

 航空自衛隊の戦闘機「F-4EJファントムII」が今年3月で退役することを聞いた宮本教諭は昨年、教え子と相談して段ボール製の模型を作製した。「イベントなどの広報活動に役立てて」と持ちかけ、同本部は広報イベントなどで模型を飾った。

 さらに今年2月、当時の在校生が約2週間かけて作ったかるたも、交流の深まりに一役買った。

 読み札の多くは、生徒の親戚などの自衛官から聞いた「あるあるエピソード」が題材だ。

 「ヘリコプター 初めの訓練 突き落とし」

 「のびる雲 華麗な演技 ブルーインパルス」

 絵札は、陸上自衛隊はウサギ、海上自衛隊はカエル、航空自衛隊はキツネとし、国宝「鳥獣戯画」風のタッチで描いた。同本部は、このかるたを中学生の職場体験や会員制交流サイト(SNS)などで活用しており好評だ。

 V2賞金で作成

 さらに10月に同本部に寄贈したのは自衛隊募集の横断幕。同校が8月、全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)で2連覇を達成し、その賞金の一部などを使って作成した。

 横断幕は横1・8メートル、縦60センチ。宮本教諭がデザインし、同本部メンバーの似顔絵が描かれるなど、ユニークなものに仕上げた。横断幕は、栃木県内の自衛隊関連施設や県護国神社(宇都宮市)、民間の協力企業で掲示される。

 同本部の梶恒一郎本部長は「地方本部の任務は、地域住民と自衛隊をつなぐ架け橋となること。(横断幕は)任務遂行に大変有益です」と感謝の言葉を述べた。同校美術デザインコース2年の寺島蒼依さん(16)は「自衛隊の方と身近にご一緒させていただき、何かお礼がしたかった」と話した。

 サッカー部員に講話

 交流はさらに深まっている。同本部宇都宮分室で広報・募集を担当する末吉正治主任広報官は、受験希望者への個別説明会をはじめ、就職に関するさまざまな相談に応じてきた。同校サッカー部の生徒を前に講話をするなど、“人生の先輩”としても生徒と接している。

 同校の一角には、陸海空自衛隊のグッズなどが飾られている。自衛隊の活動を知ってもらうためで、県内の学校ではここだけだという。女子高生と自衛隊という異色の交流は、脚光を浴びることの少ない地道な自衛隊の広報活動に潤いを与えている。(鈴木正行)