大飯原発再稼働へ安全基準 地元同意に道筋 「拙速」の声も (1/2ページ)

2012.4.6 05:00

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 経済産業省原子力安全・保安院が提示した原子力発電所の暫定的な安全基準は、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機の再稼働に向けた道筋を整える。短期的な安全対策を優先させる2段階方式で、暫定基準のクリアが視野に入るからだ。ただ、暫定基準は実施済みの安全対策の焼き直しという面も強く、法規制化のめども立たない。福井県以外の原発立地自治体では政府の対応を「拙速」と批判する声もあり、かえって再稼働のハードルを上げる恐れもある。

 「福井県は再稼働に後ろ向きなわけではない」。政府関係者は再稼働の実現に期待を高めている。

 保安院が提示する暫定基準は、東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた30項目の安全対策をもとに、電源車の配備や建屋への浸水対策など短期的な対策を挙げたものになる見通し。実施済みの内容も多く、「3、4号機がクリアすることは十分可能」(政府関係者)とみられる。

 福井県は過去40年以上、原発立地に協力し、「地場産業として原発に取り組んできた」(首長)。原発の停止は雇用などでの悪影響を拡大させるため、再稼働は地元へのメリットも大きい。西川一誠知事も暫定基準に向けた保安院の検討状況を「県として注視する」としており、今回の暫定基準を落としどころに再稼働が前進する可能性もある。

 しかし首相の指示から2日後の暫定基準の提示には拙速感もある。送電網の強化など中長期的な対策が先送りされる見通しであることも、「現状の対策の追認」ととられかねない。