韓国の即席ラーメン最大手「農心(ノンシム)」の商品が、発がん性物質が検出されたとして回収された騒動が波紋を広げている。ロンドン五輪体操金メダリストの好物として話題となった国民的定番商品で、ネットでは「食べるとがんになる」とデマが流れ、日本や中国など世界中に回収騒動が拡大。業界は大打撃を受けた。農心など大手は10年間談合し不当に値段をつり上げていたとしてバッシングされたばかりだが、今回は場当たり的対応で混乱に拍車をかけた監督省庁にも非難の矛先が向けられた。(桜井紀雄)
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今回、回収騒動の中心となったのは農心の袋ラーメン「ノグリ」だ。ノグリは韓国語でタヌキの意味で、パッケージの一部にタヌキが描かれている。コシのある太麺とだしの効いた辛めのスープが特徴で、麺と一緒に煮込んでだしを取るための乾燥コンブが丸のまま入っているのが売りだ。
韓国の即席ラーメンといえば、日本では同じ農心が販売する「辛ラーメン」が有名だが、韓国でノグリは、辛ラーメンに勝るとも劣らない人気定番。日本でも大手スーパーなどで販売されていた。