上院が可決した法案は、年商100万ドル(約1億円)以上のオンライン業者への徴税義務を州に課すもの。ウォルマート・ストアーズなどが中心の全米小売業協会(NRF)は「公平な税制に向けた重要な一歩」と歓迎する。税収増につながる各州の期待は強く、財政が危機的なカリフォルニア州はすでに導入している。
だが、事態は複雑だ。ネット通販最大手で新税の標的とされたアマゾンは、当初の反対から一転して賛成に回った。大手業者は経営体力もあり、徴税で各州に協力する代わりに物流センター増設で公的支援を引き出す「したたかな戦術」(米メディア)に転換した。
一方、零細業者は徴税事務などの負担を懸念し、ネット競売大手イーベイは「中小業者を守るべきだ」と訴える。米シンクタンクのヘリテージ財団も、各州で税率が異なり、州政府も顧客の購買情報を追跡する負担が増すと指摘する。
増税に抵抗する野党共和党には「税収に飢えた州による強奪だ」との慎重論が多い。だが、流通業者の支持を受ける議員もいるだけに、共和党が主導権を握る下院でも法案が通過する可能性もある。