【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(7) (1/3ページ)

2013.10.25 05:00

 ■急速に進む地方の“脱農化”

 私が初めてミャンマーの村を調査したのは1987年、ビルマ式社会主義時代末期のころである。この年調査した2つの村を94年に再び調査し、今年3度目の調査を始めた。社会主義政権、軍事政権、そして民主主義政権と政体が移り変わった中での、農村の社会経済変化を追究することが目的である。今回から、そのうちの一つ、マンダレーから40キロほど南下したところにあるチャウセー郡ティンダウン村落区ティンダウンジー村の社会経済変化を概観する。

 ◆ビルマ農業発祥の地

 チャウセー地方は、ミャンマー連邦の多数を占めるビルマ民族が山から下りてきて最初に農業を始めた地といわれている。11世紀半ばに成立した最初の統一王朝バガン朝の食糧基地として、灌漑(かんがい)が整備され、チャウセーの11村と名付けられた農村が歴史に登場した地でもある。私が調査村に選んだティンダウンジー村もその一つであるという言い伝えがあるが、確証はない。ただし、遅くとも10世紀には造られたといわれる人工灌漑路のひとつであるミンイェー水路が流れ、古くから水稲二期作やコメとゴマやタマネギなどの二毛作が行われてきた。

 表は、村内の全世帯の主たる生計支持者の職業を表したものである。世帯数も人口もこの四半世紀の間に顕著に増加している。だが両者の増加率は異なる。世帯数が、1.87倍になっているにもかかわらず、人口は1.45倍にしかなっていないのだ。当然1世帯当たり構成員数は87年の5.62人から、94年には5.38人、2013年には4.34人と減少している。世帯数が増加する要因は、子供が結婚すると別に家を建てて所帯を構える「オークェ」という慣習にある。子供の数が多く親が長生きする傾向がある場合、世帯数は爆発的に増える。しかし、別居した子供世帯の出生率が下がると世帯数の増加ほどには人口は増加しない。世帯数増と人口増のギャップはそのような変化を示唆している。そのほか若干の転入によっても世帯数が増加している。

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