【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(21) (1/3ページ)

2014.11.21 05:00

村長のアウンチョー氏は時々、すべての村民を招き、食事を振る舞う=2012年8月、チャウセー(筆者撮影)

村長のアウンチョー氏は時々、すべての村民を招き、食事を振る舞う=2012年8月、チャウセー(筆者撮影)【拡大】

 ■NLD村長が招いた大騒動

 現在の政権与党、連邦団結発展党(USDP)の創始者でもあるタン・シュエ元国家平和発展評議会(SPDC)議長のおひざ元であるチャウセー郡の村々でも、野党の国民民主連盟(NLD)の人気は絶大である。

 私の友人の一人、アウンチョー(仮名)氏も熱烈なNLD支持者で、2012年の選挙でL村落区の行政長(オウッチョウッイェーフム、以下村長と訳す)に当選した。

 村落区はいくつかの村が集まった行政の末端機関であり、日本の行政村に相当する。彼は村を発展させようとあれこれ奮闘しているが、そんな彼の行動が村を二分する大騒動を引き起こしている。

 ◆週刊誌で「悪行」報道

 今年8月、マンダレーの週刊誌に彼の「悪行」を反対派が訴え、写真付きで大々的に報道された。

 この記事によると、騒動のそもそもの発端は、アウンチョー氏が村に設置しようとしている配電設備にある。この村はまだ電化率が低く、彼は首都ネピドーまで行って電力庁に村の配電設備の近代化と大容量化を申し出た。だが、一村長の陳情は聞き入れてもらえず、彼は民間企業に依頼することにし、電力庁も自らの懐は痛まないのでこれを許可した。ミャンマー国中ではやっているコートゥー・コータ(自分のことは自分で)主義の一環である。

 当然、一切の費用は村人の負担となり、L村では1世帯当たり300万チャット(約34万円)が割り当てられた。村には日当3000チャットで暮らす農業労働者世帯が数多く存在し、彼らにとってこの負担金は天文学的な額である。

 発言力の弱い彼らに代わって声を上げたのが、大学教育を受けた若者たちだった。彼らは雑誌社だけでなく、40人ほどの署名を集めて、村長の罷免をチャウセー郡行政長官(以下郡長)に請願した。

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