インターネット上で蓄積される膨大な情報「ビッグデータ」を利用した新しい経済指標の作成に向け、内閣府が有識者会議の立ち上げなどの準備を進めていることが12日、わかった。売り上げを記録するスーパーマーケットやコンビニのPOS(販売時点情報管理システム)のデータやインターネット上の検索状況など複数の情報を組み合わせ、景況感を探る。景気判断の精度と迅速さを向上させることで、有効な経済政策運営につなげる考えだ。
検討している新しい経済指標は、食料品や日用品、家電などの商品の購入や旅行などのサービス利用に関し、ネット上の検索データから、商品やサービスの登場頻度や購買意欲などを分析。それに実際の販売状況を組み合わせるなどして、足元の消費動向や先行きを指標化する仕組み。
新指標ができれば、地域や季節、年齢、性別などの属性ごとに個人消費の傾向を迅速に判断することが可能となる。早ければ来年度にも検討会を立ち上げ、必要なデータの種類などについては、有識者らが精査する。
内閣府が毎月公表している月例経済報告は、商業販売統計、鉱工業生産指数などの政府の各種経済統計を分析し、景気の基調判断に反映している。ただ、調査対象期間から1カ月以上遅れて公表されるデータもあり、足元の景気が大きく変動した際には、最新のデータでないもので判断するというような問題があった。内閣府は新指標が実現すれば、こうした問題も解消できるとみている。