ベトナム、牛肉の輸入急増 畜産農家は関税撤廃に懸念

2015.4.15 05:00

首都ハノイの市場で肉を売る女性。ベトナムは牛肉の輸入が増加している(ブルームバーグ)

首都ハノイの市場で肉を売る女性。ベトナムは牛肉の輸入が増加している(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは牛肉の輸入が拡大している。経済成長に伴う所得増や食生活の変化などで牛肉需要が高まっているためだ。2014年の肉用牛の輸入額は3億ドル(約360億円)、冷凍牛肉の輸入額が5000万ドルに達した。今後、さらに需要増が見込まれるなか、同国が締結した自由貿易協定に伴って牛肉の関税が撤廃されれば、国内の畜産農家は大きな打撃を受けるとの懸念も広がっている。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。

 14年の肉用牛の輸入頭数は25万頭、輸入牛肉は2万6000トンだった。ベトナム畜産協会によると、最大の輸入先であるオーストラリアからの肉用牛の輸入頭数は10年の3500頭から14年は18万1000頭となり、4年間で約52倍に急増した。同協会のグエン・ダン・バン会長は、今年のオーストラリアからの輸入頭数は20万~22万頭に達すると予測する。

 一方で同会長は、ベトナムの牛肉需要が高まっているものの、国内の牛肉生産量は需要の7割にとどまっていると指摘。14年の同国の肉牛の飼育頭数は約500万頭、牛肉の生産量は29万7400トンだった。同国は気象条件や大規模畜産施設の設置が遅れていることなどから、今後、牛肉の輸入量が増加するのは必至だ。

 また、東南アジア諸国連合(ASEAN)自由貿易協定(AFTA)の物品貿易に関する協定(ATIGA)に伴い、18年に関税が撤廃されれば、ASEAN加盟国経由でベトナムに輸入される牛肉には関税がかからず、価格の安い輸入牛肉が出回ることにより国内の畜産農家は太刀打ちできなくなるとみられている。専門家は、国内畜産農家の競争力強化に向けて長期的視野に立った畜産業の振興策が必要との見方だ。今後、畜産施設の近代化や流通網の整備などが課題になるとみられる。(シンガポール支局)

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