タイ・バンコクの大型商業施設「サイアム・パラゴン」に来店した買い物客(ブルームバーグ)【拡大】
こうした声に対し、タイのソンマイ・パーシー財務相は、現在の家計債務の増加率が年率換算で5%と、12年の18%から大幅に鈍化していると指摘。今後数年間の頭痛の種となる可能性があると認めたうえで、手に負えない事態ではないとの認識を示した。政府の景気浮揚策などによる雇用増や商品市場の価格上昇で不良債権の増加にも歯止めがかかるとの考えだ。
15年3月末時点でのタイのクレジットカード発行枚数は2060万枚で融資額は2520億バーツ、個人融資の件数は1180万件で融資額3130億バーツだった。国内に雇用増や所得向上をもたらして不良債権の増加を抑制し、堅調な消費を実現できるか、政府の指導力が問われていきそうだ。(シンガポール支局)