マレーシア・トレンガヌ州のLNG施設。原油相場が持ち直しの兆しを見せる一方、LNG価格は一段の下落が見込まれている(ブルームバーグ)【拡大】
オーストラリア西部パースで11日、液化天然ガス(LNG)関連業界で影響力が強い企業幹部や投資家、トレーダーらが参加する国際会議「LNG18(第18回LNG国際会議見本市、15日まで)」が開幕した。北海ブレント原油が1月に12年ぶりの安値を付けて以降、約50%上昇するなど原油価格が持ち直し傾向を見せる一方、LNG価格は下落傾向が続いており、同会議に参加したLNG業界関係者らは、長い冬への備えを迫られている。
原油は2年間にわたる設備投資削減で生産調整が進み、前例のない供給過剰は緩和し始めている。これに対し、プロジェクト費用が数十億ドルに上り、建設に数年を要するLNGの市場では、高値局面で認可された開発プロジェクトで相次いで生産が始まり、供給ペースが需要を上回っている。
コンサルティング会社FGEのジェフ・ブラウン社長はシンガポールで電話インタビューに応じ「LNGは下落サイクルに入りつつあるように見える。スポット市場には向こう数年間、買い手を必要とする大量のLNGが供給されるだろう」と指摘する。