2016年の米経済は月々の雇用者の伸びが20万人を超えている米雇用市場の強さを引き合いに安泰と楽観的な見方がある。半面、雇用統計のヘッドラインの下に埋もれがちなデータに目を向けると、そこには勢いを失いつつある労働市場の姿が垣間見られる。
過去2回のリセッション(景気後退)の前にピークを付けた雇用統計に含まれる一時派遣労働者数が、いま頭打ちになろうとしているからだ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストらが設計し、イエレン議長が注視する労働市場情勢指数も、2009年以降で初めて3カ月連続で下げている。
人材紹介会社エクスプレス・エンプロイメント・プロフェッショナルズのボブ・ファンク最高経営責任者(CEO)は、景気悪化の兆候が表面化すると真っ先に切られるのは派遣労働者だとして、「この業界は常にリセッションの最前線に立たされる」と述べた。