禁止でも消えぬ春の風物詩 パキスタンのたこ揚げ「バサント」

2016.5.3 05:00

パキスタン・ラワルピンディで、たこ揚げに熱中する人たち=3月(共同)

パキスタン・ラワルピンディで、たこ揚げに熱中する人たち=3月(共同)【拡大】

 パキスタン中部パンジャブ州に、死傷する人もいるため危ないとして禁止された春の風物詩がある。「バサント」と呼ばれるたこ揚げ祭りだ。違法にもかかわらず今も多くの市民が興じ、色とりどりのたこが空に舞う。

 「よし、勝った」「やられた」。同州ラワルピンディで、家の屋上に上った男性らが空を見上げながら叫ぶ。近隣から大音量の音楽や、祝砲の銃声が聞こえる。

 たこ同士のぶつかり合いで、相手の糸を切った方が勝ち。薬局経営の男性は「風が出ると勝負が激しくなって盛り上がる」と説明。一つのたこで24勝したことがあると胸を張った。

 同州ラホールではかつて、春に大規模なバサントが開かれていた。専門店には1カ月前からさまざまな形やサイズのたこが並び、多くの外国人観光客が訪れたという。

 ただ、勝負が過熱して金属製の糸やガラス繊維を混ぜた糸が使われ始めると、けがをする人が増えた。電線や街路樹から垂れ下がった糸に気づかず、通りがかりのバイクの運転手が死亡する事故も目立つようになった。

 最高裁判所は2005年にバサントを禁止。現在は首都イスラマバードなどで許可を得たイベントでのみ、たこを販売したり、子供たちにたこ作りを教えたりすることができる。

 禁止された後、市民は綿糸や釣り糸で揚げているが、違法であるため毎年数百人が摘発される。それでも勝負に熱中する男性は「みんな楽しみにしている行事なんだ」と気にする様子はない。(ラワルピンディ 共同)

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