中国で26年間禁止されていたフグ食の解禁につながる「養殖フグ生産・経営の条件付き開放に関する通知」の公聴会が先月行われ、国内の一定規模以上のフグ養殖業者が集まった。これまでフグ食が禁止されながらも養殖は認められており、輸出と国内闇ルートの流通で事業を維持してきたフグ産業。今後、国内市場が活性化するとの期待が高まる一方で、小規模業者の淘汰(とうた)も懸念されている。
◆闇流通も公然の秘密
同通知によると、フグの養殖や加工を行う企業は、農業省、国家衛生計画出産委員会、国家食品薬品監督管理総局(食薬監総局)の3部門を通じて登録を行い、専門家チームの審査・検収を通過すれば、国内市場でフグ製品を正々堂々と販売できるようになる。約30年間閉ざされてきた国内フグ市場への扉が開くということだ。
すでに輸出向けの事業を行っている大規模養殖企業が登録準備を開始、生産能力や規模の拡大を始めているという。
これまで、不明確な国内販売政策に業界は頭を痛めてきた。1990年、衛生省(当時)は「水産品衛生管理弁法」を公布し、猛毒のあるフグの市場流通を禁止。2011年には(当時の)国家食品薬品監督管理局弁公室が、関連政策を整備するまでは「いかなる外食サービスも、フグ料理を提供することを厳禁する」と重ねて通知した。