ハンガリー、公立崩壊で私立病院拡大 (1/3ページ)

2016.5.26 05:00

ハンガリーの首都ブダペストの公立病院で、待合室に座る患者ら(ブルームバーグ)

ハンガリーの首都ブダペストの公立病院で、待合室に座る患者ら(ブルームバーグ)【拡大】

 公的医療制度が崩壊しつつあるハンガリーで、私立病院が次々に誕生している。共産主義時代の遺物ともいえるハンガリーの公立病院では、患者が常に自前のトイレットペーパーを持ち込まなければならないほど状況が悪化しており、国民は公立病院以外の場所での医療費の負担を強いられている。経済協力開発機構(OECD)の調べによると、同国の民間保健医療支出は過去20年で2倍以上に膨らんだ。

 ◆投資の好機

 こうした中、ウクライナの起業家、イゴール・イアンコフスキ氏は6200万ドル(約68億円)を投じ、2018年の開院を目指し、ハンガリーの首都ブダペストに病床数130、7つの手術室を備えた8階建てのドゥノ・メディカル・センターを建設中だ。ハンガリー最大の貸出銀行であるOTB銀行も、病院事業への投資を計画している。

 ブダペストにあるゼンメルヴァイス大学の医療専門家、エスズター・シンコ氏は「国内に私立病院が次々に誕生している。今年は病院事業が急激に発展するだろう」との見通しを示した。

 近年、同国では薄給の医師や看護師がより裕福な西欧諸国へ大挙して逃げ出しており、公立病院に残された医療従事者らが過重労働と低賃金に苦しむ事態となっている。ハンガリー政府は医療費の削減に取り組んでおり、財政支出の額は13年に予算の約10%と、OECD加盟34カ国で最低水準に落ち込んだ。

 こうした影響もあり、同国のがん死亡率はOECD加盟国でもっとも高く、CTスキャナーやMRI装置など、医療機器の数はもっとも少ない。ハンガリー保健当局は、今年に入り公立病院でウイルス性疾患が広がったのは殺菌装置の不足が一因だとした、マスコミ報道の火消しに追われている。

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