中国観光135兆円争奪戦 上海ディズニーが契機、テーマパーク続々開業

2016.6.2 06:48

 米娯楽メディア大手ディズニーが16日に55億ドル(約6090億円)を投じた上海ディズニーランドをオープンさせるのを機に、2020年に135兆円規模に拡大するとみられている中国の巨大観光市場をめぐる争奪戦が本格化する。中国には既に、世界最悪と評された施設を含め300ものテーマパークがひしめいているが、20年までにさらに50以上の娯楽施設の新規開業が見込まれている。

 米国勢VS国内勢

 昨年は、業績不振のテーマパークを含めて中国のテーマパークに約1億2000万人が足を運んだ。コンサルティング会社のエイコムは、新たなテーマパークの開業で、全体の来園者数が年間2億2000万人に達するなど中国のテーマパークが米国に肩を並べるとみている。

 中信建投(国際)金融の観光アナリスト、ジェニファー・ソウ氏は「中国本土の消費者は過去10年で行動を大きく変えてきた。彼らは買い物だけでなく、経験を欲しがっている。多くのテーマパーク運営会社が機会を見いだしているのはこうした理由からだ」と述べた。

 中国政府は、中間層の拡大を背景に、現在6100億ドル規模の観光産業が20年までに1兆2200億ドルに倍増すると予想する。こうした中、不動産大手、大連万達集団(ワンダグループ)が5月29日に32億ドルを投じて江西省南昌に複合娯楽施設を開業したのに続き、内外の企業が相次いで同市場に参入する。

 米アニメ制作会社のドリームワークス・アニメーションは24億ドルを投じて「ドリームセンター」を、米テーマパーク運営のシックス・フラッグス・エンターテインメントは19年に北米以外で初めてのテーマパークをオープンする。中国・海昌海洋公園は来年、国内最大のマリンパーク「上海海昌極地海洋公園」を開業する予定だ。

 1955年にカリフォルニア州でディズニーランドをオープンしたディズニーと、米国で55年以上のテーマパーク運営の歴史があるシックス・フラッグスは、経験という点では優位に立つ。これに対して中国企業は、現地の状況と、顧客が金額に見合う価値があると考えるのはどういうものかをよく理解している。

 中国の運営会社は強い味方を得たともいえる。エイコムは15年に世界のテーマパークに関するリポートで「中国政府は、欧米をテーマにしたアトラクションが乱立することを警戒している」と指摘した。

 人民政治協商会議の李修松委員は今年北京で開かれた会合で、子供が中国文化に関心を持たなくなるので、政府はディズニーのテーマパークの増加を認めるべきではないと主張。明時代に書かれた「西遊記」など中国の古典文学をベースにしたテーマパークやアトラクションを作るべきだと述べた。

 現在、中国で最も成功しているテーマパーク運営会社の一つは宋城演芸発展で、7カ所のテーマパークで、中国文化を盛り込んだライブショーを行っている。昨年は前年比53%増の2200万人の来園者を集め、エイコムが発表する世界のテーマパーク・ランキングで10位に入った。

 共存で相乗効果

 一方、ディズニーランド開業を脅威でなく、チャンスとみる向きもある。海昌海洋公園の王旭光・最高経営責任者(CEO)は「米フロリダ州オーランドが上海のモデルになるかもしれない。オーランドには10以上のテーマパークがある。香港では香港海洋公園とディズニーランドが競争ではなく、相乗効果を生み出している」と話した。

 L.E.K.コンサルティングの中国事業担当共同責任者、ミシェル・ブレケルマンズ氏は、「ハリウッド映画が中国人の映画鑑賞を促したように、上海ディズニーランドは広範なアミューズメントパーク産業の触媒になる。ディズニーランドのようなプロジェクトは、市場の新たな一面を開く」と話した。中国の映画興行収入は数年以内に北米を上回るとみられている。(ブルームバーグ Rachel Chang)

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