カメルーン・ペンジャで生産されるホワイトペッパー(テール・エグゾティック提供)【拡大】
西アフリカ・カメルーンのペンジャで生産されるホワイトペッパーは、世界最高級の白コショウとして知られる。ミシュラン星シェフたちも絶賛するこのホワイトペッパーは、同地の火山性土壌が育んだもので、英イーデリセスなど高級食材専門のオンラインショップで販売されている。同ショップでの値段は100グラム当たり31.25ユーロ(約3720円)。ちなみに英スーパーマーケット大手のテスコでは、同量の普通のホワイトペッパーが2.80ユーロで売られている。
◆取引価格5倍以上に
「ハーブの香りと絶妙の風味を持ち、舌がヒリヒリしない」とシェフのリオール・レブ・セルカルツ氏は評する。同氏が米ニューヨークに構える高級スパイス専門店ではペンジャ産ホワイトペッパーを年間約150キログラム購入する。「大半のホワイトペッパーは適切な乾燥処理を施されておらず、少し発酵が進んで苦い。だがペンジャ産コショウで品質の悪いものに出くわしたことがない」
インドを原産とするコショウの実はアフリカでは希少だ。マダガスカルでもわずかに生産されるが、輸出統計に反映されるほど大規模な生産を行っている国はアフリカでカメルーンだけだ。
地元の伝承によると、コショウの苗は1930年代にフランス人入植者によって初めてカメルーンに持ち込まれた。ペンジャ産ホワイトペッパーがその後名声を得たのは、フランス人起業家、エルヴァン・ド・ケロス氏のおかげとされている。