ロシア、富豪の投資で農業振興 食料自給率向上、輸出も増加 (1/3ページ)

2016.6.18 07:20

ユージヌィ農業複合体で温室栽培のトマトを箱詰めする農場労働者。富豪による投資は農業に近代化と生産性向上をもたらした=ロシア(ブルームバーグ)

ユージヌィ農業複合体で温室栽培のトマトを箱詰めする農場労働者。富豪による投資は農業に近代化と生産性向上をもたらした=ロシア(ブルームバーグ)【拡大】

 原油安や通貨ルーブルの下落に加え、ウクライナ問題をめぐる経済制裁と景気後退(リセッション)に苦しむロシアで、富豪たちが新たな投資先として農業に参入し始めた。旧ソ連崩壊後の無計画な民営化があだとなり、農業は近代化が遅れ、生産性も低かったが、プーチン露大統領がさらなる農業強化を打ち出したことで収益は伸び、さらなる投資を呼び込んだ形だ。

 ◆トマトに戦車の名

 同国の富豪、ウラジーミル・イェフトゥシェンコフ氏の持ち株会社AFKシステマは昨年12月、黒海とカスピ海の間に位置する農業法人、「ユージヌィ農業複合体」を買収した。フットボール競技場2300面分に相当する広大な温室施設で、自慢のトマト「T-34」が栽培されている。第二次世界大戦時にドイツ軍を苦しめた驚異の戦車にちなんで名付けられたこのトマトには、エルブルス山の雪解け水が与えられ、他の作物とともに18時間かけて主にモスクワに出荷される。昨年システマを通じて農業分野に90億ルーブル(約144億円)を投資した同氏は、農業は「非常に有望な投資先だ」と語る。

 今回の農業法人買収のタイミングは“完璧”だった。プーチン大統領は同月、2020年までに「食糧の自給自足を目指す」との目標を再び明言した。また、トルコによる昨年11月の露軍用機撃墜の報復措置として、トルコ産農産物の輸入を禁止。検査官が意気揚々と同国産トマトをブルードーザーで潰す様子を露当局が放送するなど、同氏の参入直前に最大のライバルは市場から一掃されていた。

 トルコからの輸入禁止を課した後、プーチン大統領は議会で「ロシアは西側の生産者が長い間失っていた、ヘルシーで環境的にクリーンかつ高品質な食品の、世界最大の供給者になることができる」と自信をみせた。同国は昨年、遺伝子組み換え作物(GMO)の商業作付けを禁止する数十カ国の仲間入りも果たした。

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