比政府、環境保護で鉱業に圧力 鉄鉱石採掘など10社以上が操業停止 (1/2ページ)

中部ラプラプ島にある銅などの鉱山。フィリピンは鉱業に逆風が吹いている(ブルームバーグ)
中部ラプラプ島にある銅などの鉱山。フィリピンは鉱業に逆風が吹いている(ブルームバーグ)【拡大】

 フィリピン政府は、鉱業に対する圧力を強めている。同国の環境天然資源省は、鉄鉱石採掘企業オア・アジア・マイニング・アンド・デベロップメントに対し操業停止を命じた。6月に誕生したドゥテルテ政権は、7月以降にニッケル鉱石の採掘7社を含め、10社以上に操業停止を命じている。現地経済紙ビジネス・ワールドなどが報じた。

 同省幹部は調査の結果、オア・アジアによる河川の環境汚染などが明らかになったとし、採掘済みの鉱石の移動を含む全ての操業停止を命じたとしている。同社はフィリピン国内で唯一の鉄鉱石の採掘を行っていた企業で、昨年の生産量は4万トンだった。

 ドゥテルテ大統領は今年5月の大統領選挙時から環境保護重視の姿勢を示しており、当選後は熱心な環境保護派のレジーナ・ロペス氏を環境天然資源相に起用。政権発足直後の7月初旬から国内約40カ所の全ての鉱山の調査を開始していた。

 ロペス環境天然資源相は鉱山での採掘活動に否定的な立場を取っており「生きていくのに金は必要ない。きれいな空気ときれいな水こそ必要だ」といった鉱業を批判する発言で知られている。

 ドゥテルテ大統領も今月、「合法であっても国を破壊する」と鉱業各社を批判し、さらに強化する規制に従うか活動を停止するかのどちらかだと主張した。鉱業がなくともフィリピン経済は安泰との見解だ。

 こうした政府の強硬な姿勢を受け、地場鉱業会社サジタリウス・マインズが南部ミンダナオ島で取得していたタンパカン鉱山の金・銅の採掘許可や、同セミララ・マイニング・アンド・パワーが取得していた中部セミララ島での炭鉱の拡張許可など、前政権時の許可が取り消されるとの懸念が広がっている。