タイ 16年版世界ランク37位 人材競争力、過去10年で最低

バンコクの金融街に通勤する人々。タイは人材競争力を高めるため教育投資の拡充が必要と指摘されている(ブルームバーグ)
バンコクの金融街に通勤する人々。タイは人材競争力を高めるため教育投資の拡充が必要と指摘されている(ブルームバーグ)【拡大】

 タイは人材競争力が低下しているとの調査結果が出た。スイスに拠点を置くビジネススクールIMDが毎年発表する「世界人材報告書」の2016年版ランキングで、タイは61カ国・地域中37位だった。前回から順位を3ランク下げ、過去10年で最低となった。とくに、教育分野への投資が不十分なことなどにより、一定水準の技術力がある労働者が不足していると指摘された。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 同報告書は(1)人材への投資・教育(2)国内外の人材確保に向けた魅力(3)市場ニーズに見合う人材の供給に向けた準備-の3項目について、国・地域ごとに調査し数値化して順位付ける。

 タイは、人材への投資・教育で前回から23ランクと大きく後退し42位となった。報告書によると、タイの教育投資は国内総生産(GDP)比で3.9%にとどまっている。これに対し、トップ10に入った国・地域の教育投資は同7~9%と約2倍の開きがある。ほかの2項目では、人材確保に向けた魅力が24位、人材供給への準備が49位と、それぞれ順位が1ランク上がった。

 タイ以外の東南アジア諸国連合(ASEAN)各国も昨年から軒並み順位を落としている。シンガポールが5ランク低下の15位だったほか、マレーシアが4ランク低下の19位、フィリピンが7ランク低下の51位だった。IMDの幹部は、ASEAN各国は総じて人材育成投資が不十分とみている。また、長期的な視点で教育システムの質的向上を図ったり、幅広い層で人材を養成したりして、国際競争力を高めていく努力が必要との見方を示した。

 16年版のランキングで首位はスイス、2位がデンマークでともに昨年と変わらず、日本は昨年から4ランク後退して30位だった。(シンガポール支局)