ネット旅行業界、グーグルの進出を警戒 競合するケース増加「うっとうしい」 (3/3ページ)

 懸念払拭には不十分

 しかしこれだけでは、ネット旅行業界の懸念を払拭するには不十分である。ネット旅行会社の間には、自社がグーグルと最終提供者(ホテルや航空会社)の中間で御用聞きをするだけの存在になり、ユーザーに直接的にかかわる部分をグーグルに占領されてしまうのではないかという危機感がある。エクスペディアやプライスラインからすると、顧客との取引を処理したりサービスの問題を解決したりすることはできるとしても、レンタカーサービスなどのクロスセル(関連商品・サービスの購入を顧客に促すこと)につながるような顧客との結びつきを構築することが難しくなるかもしれない。

 15年7月、グーグルは旅行関連の技術を提供するセーバートラベルネットワークスとパートナーシップを締結。これにより旅行者は、グーグル検索、グーグルマップ、グーグルプラスでホテルを検索し、結果を表示したページから直接ホテルを予約することができるようになった。

 このようにグーグルの最近の動きはこれまでになく積極的だ。これを受けて、ネット旅行会社がマーケティング費用の一部をグーグル以外に回す可能性が高い。プライスラインとエクスペディアは、顧客を誘致して自社サイトで旅の予約をしてもらう費用として、7~9月期にそれぞれ10億ドル以上を支出した。その大半がグーグルに支払われており、プライスラインとエクスペディアはグーグルの検索連動型広告の広告主ランキングで上位10社に名を連ねる。

 広告代理店スリーシックスティ・アイの幹部で検索連動型広告マーケティングを担当するジェイソン・ハートレー氏によると、この分野のグーグルの収益は依然として強固だが、同社の動きはリスクの高い賭けだ。ネット旅行会社はすでにフェイスブックでの広告を始めており、将来的に主要ソーシャルメディアが提供する旅行マーケティングの手段が充実してくると見込んでいる。ハートレー氏は「グーグルもおそらくこの点を計算して、失う以上のものを獲得する必要があるという答えを出したのだ」との見方を示した。(ブルームバーグ Gerrit De Vynck、Mark Bergen)